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【ウマ娘怪文書】「……楽しそうだなぁ」マチカネタンホイザの視線の先には、かつて彼女のトレーナーだった男が居た。その傍らに居るウマ娘ははしゃぎながら彼の手を引き、走り方を教えてもらおうとせがんでいる


1: 名無しさん(仮) 2025/02/07(金)21:50:06

「……楽しそうだなぁ」

公園のベンチで友人を待ちながら、マチカネタンホイザは小さな声で呟いた。
視線の先には、かつて彼女のトレーナーだった男が居た。その傍らに居るウマ娘ははしゃぎながら彼の手を引き、走り方を教えてもらおうとせがんでいる。
その求めに応える彼の横顔は、どこか生き生きとしているように見えた。

「…………」

その様子を眺めるタンホイザは、普段よりもほんの少しだけ陰のある微笑みを浮かべていた。

「お待たせー」
「おっ、来た来た! じゃ行こっか!」

やがてトイレから戻ってきた友人に声をかけられると、彼女はいつも通りの明るい笑顔を向けて立ち上がった。友人と仲良く会話しながら、楽しそうに公園を後にする。
その途中で一度振り返り、元トレーナーに向けて小さく手を振ったが、彼がそれに気付くことはなかった。




2: 名無しさん(仮) 2025/02/07(金)21:50:41

その日の夕方。

「ただいまー。今日はありがとね、おかげさまで楽しい休日でした!」

友人と別れたタンホイザは、待ち合わせ場所に停められた自家用車に乗り込みながら言った。その運転席から、彼女のトレーナーだった男が返事をする。

「おかえりタンホイザ。羽伸ばせたなら良かったよ」
「あの子の娘さんまで預かってもらっちゃって、大変だったでしょ? ウマ娘ってあの歳でも体力あるし」
「いや、こっちも楽しかったよ。うちのとも仲良く遊んでたし」
「へー、さすが現役トレーナーさんだ。鍛えてるねぇ。……ちびちゃん達は流石に疲れちゃったかな? んふ」

後部座席で寝息を立てる子供達を振り返り、タンホイザはくすくすと笑った。ふと、その笑顔が途切れる。






3: 名無しさん(仮) 2025/02/07(金)21:51:45

「……ねぇ。うちも娘が欲しかった?」
「え? なんで?」
「いや〜……今日娘さんの相手してるとき、なんか楽しそうだったなー、って思って」
「んー……やっぱりトレーナーだからかな、ウマ娘に教えるのは楽しいけどね。でも、娘が欲しいとは思わないかなぁ」
「そうなの? ……どして?」
「もし自分の娘がレースに出たいって言ったら、親は一番のファンになってあげるべきだと思うんだ。実際娘が居る同僚はそんな感じだし……」

運転席の男は少し照れくさそうに笑いながら、隣のタンホイザを見つめて言った。

「……でも、俺は上手く推し変できる自信がないからさ」





4: 名無しさん(仮) 2025/02/07(金)21:52:23

タンホイザは一瞬きょとんとした表情を浮かべたが、すぐにまたくすくすと笑い始めた。

「んふふ……はて? その推し、随分前に引退したような〜?」
「俺にとってはいつまでも現役なんだよ。悪いか?」
「ううん、一途なのは良いと思いますよ〜。ひひっ」
「……ふふ。じゃ、そろそろ帰ろうか」
「ほーい」

エンジンがかかり、自動車は彼らの家へ向けて進み始めた。子供達を起こさないように、緩やかな速度で。






5: 名無しさん(仮) 2025/02/07(金)21:53:26

ビターかと思ったらノロケだった




6: 名無しさん(仮) 2025/02/07(金)21:55:56

ほら来…
来ねえ!




7: 名無しさん(仮) 2025/02/07(金)21:56:14

ある程度良い成績残したウマ娘って結婚して子供ができたときに男の子しか産まれないと微妙に肩身が狭い思いしたりしそう




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