【ウマ娘怪文書】トレセン学園の一角に設けられた畑。その前を通りかかると、担当のカツラギエースとシンボリルドルフが揃って頭を抱えていた
1: 名無しさん(仮) 2025/01/04(土)23:19:40
トレセン学園の一角に設けられた畑。
その前を通りかかると、担当のカツラギエースとシンボリルドルフが揃って頭を抱えていた。
「おっトレーナーさん!今珍しい作物を栽培できないかって要望があってさ。ルドルフと相談してるとこなんだ」
こちらに気づいて声をかけてくるエース。
いつも通り快活だが、表情には困惑の色が浮かんでいた。
作物について相談を受けるのはいつものことだが、これだけ悩んでいるのは珍しい。
「このリストがそうなんだけど」
「どれどれ…」
『人蔘。大蒜。壺草。淫羊藿。マカ』
エースが見せてきたメモには、何やら難しい漢字が並んでいた。
2: 名無しさん(仮) 2025/01/04(土)23:20:28
「ごめん、全然読めない」
「おう。そうだよな!左からジンセン、ニンニク、ツボクサ、インヨウカクって読むらしいぜ!」
なるほどにんにくはわかったが、ほかの4つは言われてもピンとこないままだった。
「へえ…要望って言うのは誰から?」
「それがトレセン生が複数人要望してるらしいんだ。ルドルフが生徒会で取りまとめてくれたんだよ」
「うむ。私も要望を受けたときは驚いたが、物は試しと思ってエースに相談してるところさ」
そう聞くと合点がいかないでもない。
トレセン生には各国からの留学生がいるから、きっと母国の作物を育ててほしいと要望しているのだろう。
「これって全部食べ物なのかな?」
「そうそう!今それを説明してもらおうと思ってたんだ。だよなルドルフ!」
「ああ。それがだね…」
3: 名無しさん(仮) 2025/01/04(土)23:21:03
「まずジンセンだが――これはオタネニンジンとかコウライニンジンとか呼ばれる作物のことだよ。
といってもウマ娘の好物のニンジンのことではないんだ。
元々ニンジンと言えばこのジンセンを指していたんだが、後から我々のよく知る作物が入ってきた形なんだよ。
こちらは肉厚の根を食べると疲労回復や精力の増強に効果があるとされるんだ」
「へえ!そうだったのか!ルドルフは物知りだな!」
「一方ニンニクは普通のニンニクだよ。こちらも昔から滋養強壮効果があるとされているね」
「だよな!」
「ツボクサはゴツコラともいわれるハーブの一種だよ。伝統医学では性欲の増強に効果があると言われているよ」
「そんなのあんのか!初耳だ!」
「インヨウカクも性欲を高めると言われる植物だね。この草を食んだ羊が絶倫になったことが名前の由来なんだ」
「それで羊って字が入ってたのか!詳しいなルドルフは!」
「マカは精力増強剤や媚薬として有名だね。
……これらの食品は相手に食べさせれば、きっと誘いとしてこの上ない意思表示になるだろうね」
「そうか!それにしても活かす機会はなさそうなのに耳年増だよなルドルフって!」
7: 名無しさん(仮) 2025/01/04(土)23:22:51
エースはルドルフの説明に礼を言うと、栽培のための具体的な検討に入り始めた。
ルドルフがJCで負けた時以来の敵意の籠った視線を向けていることは知る由もないだろう。
その晩。エースが部屋にやって来た。
エースはこうして部屋へ来ては、とれたての作物で料理を振舞ったり、新たなレシピに感想を求めてきたりする。
「今日はこれから植える作物を試してみようと思うんだ!食べてわかることってあるからさ!」
屈託なく笑うエース。食卓にはあれよあれよという間にジンセンの炒め物やツボクサのハーブティーが並んだ。
昼間のルドルフの言葉が脳裏をよぎったが、エースが作物を第一に考えるのはいつものことだから、
これもまた自然な流れに思えてくるし、箸が進むうちにそんな思考もまとまらなくなってしまった。
「いっぱい精をつけてくれよ」
もやがかった意識の向こうから、囁くようなエースの声が聞こえてくるのだった。
8: 名無しさん(仮) 2025/01/04(土)23:23:50
おわり
エースと農業がしたかった
4: 名無しさん(仮) 2025/01/04(土)23:22:03
>>3
>「そうか!それにしても活かす機会はなさそうなのに耳年増だよなルドルフって!」
ひでぇ
5: 名無しさん(仮) 2025/01/04(土)23:22:23
急に刺してくるじゃん…