【ウマ娘怪文書】現世と幽世。物質界と精神界。両世界はお互いに干渉出来ないが、年に数日だけその境界が綻びる時期がある。日本で言うところのお盆だ
1: 1/2 2024/08/15(木)01:06:23
現世と幽世。物質界と精神界。この世は対照的な2つの世界が重なり合って出来ているという考え方がある
両世界はお互いに干渉出来ないが、年に数日だけその境界が綻びる時期がある。日本で言うところのお盆だ
「はぁ…はぁ……た、ただいま」
「お帰りなさいトレーナーさん。外は暑かった……だけじゃなさそうですね」
世間で言うところの盆休みの最中。墓参りから帰ってきた青年を一人のウマ娘が出迎えた
名はニシノフラワー。歳こそまだ中等部だが既に数々のシニア級G?レースで結果を残してきた優駿である
息を切らして帰ってきた青年ことトレーナーが首に巻いたタオルは既に大量の汗と鮮血に塗れていた
「トレーナーさん、その血は」
「大丈夫。誰かにやれたとかじゃなくて、いつものやつだから」
「いつものことでも大事ですよ。手当をするから脱いでください」
「い、いたた!!自分で脱ぐ、脱ぐからちょっと待って!」
競技者としては稀なほど温和で血の気とは無縁の二人だが、ごく稀に痣や生傷に見舞われることがある
下手人は見えるけれど見えないモノ。いわゆる怪奇現象というやつだ
初めの頃こそ怖がっていたが何度も見るうちに慣れてしまっていた
2: 2/2 2024/08/15(木)01:06:52
「蹄鉄の形の痣が7つ、いえ8つ……切り傷も結構ありますね」
「背中にやられると見えないから困るんだよなぁ。傷文字は書いてある?」
上着を脱いだトレーナーの背中には刻まれていたのは幽世のウマ娘がやったと思しき傷跡の数々
この手の悪戯の目的は傷付けることではなく気を引くことであり、多くの場合はメッセージを含んでいる
「えっと……『シシオウ』……でしょうか」
「……またマジェガルからの引用かな?」
「そ、そうですね……トレーナーさん。もし、よければなんですが」
「分かってる。せっかく名乗り出てくれてんだし、シシオウにしよう」
「っ……はい!私、頑張ります!!」
これは俗説だがウマ娘は別世界の魂の影響を強く受けると信じる者が多い
ウマ娘の両親が我が子の誕生前、予めその名前を知らせるかのように霊的なアプローチを受けることも根拠の一つに挙げられている
「……ホギャア!ホギャア!」
「おや、妹に気を取られて拗ねちゃったかな?」
「かもしれませんね。セイリュウちゃん、今行きますからね〜!」
泣き声に急かされたニシノフラワーは手際よく手当てを済ませると、一足先に名前を刻んだ我が子の元に駆け出すのであった
5: 名無しさん(仮) 2024/08/15(木)01:11:21
>>1
>歳こそまだ中等部
ちょっと待った!
3: 名無しさん(仮) 2024/08/15(木)01:10:41
あの…まだ中等部って…
26: 名無しさん(仮) 2024/08/15(木)04:45:24
>>3
どうもトレセンの場合は=中学生という訳では無いっぽいし…
いやでも中等部かぁ…さすがに…
4: 名無しさん(仮) 2024/08/15(木)01:10:58
歳こそまだ中等部...我が子...?
6: 名無しさん(仮) 2024/08/15(木)01:11:50
名前のリクエストの仕方が怖すぎる…