高校の時の初恋相手が俺のせいで氏んでしまった。氏なせてしまった女に贖罪をさせて欲しい
183: 名も無き被検体774号 2017/05/10(水) 04:37:56.31 ID:COd6JsKY
ひと通り話を聞いた俺は涙を流していた。同情の涙なのか、後悔の涙なのか、
怒りの涙なのかは分からない。あるいはその全ての涙だったのかもしれない。
この3流ドラマのような下らない女の転落劇。
184: 名も無き被検体774号 2017/05/10(水) 04:39:02.12 ID:COd6JsKY
なぜあかねがそんな人生をおくらなければならないのか?
一体、あかねは何処で何を間違えたのだろう。
どのタイミングで持ち堪える必要があったのだろう。
俺は何処で助けてあげられる可能性があったのだろう。
185: 名も無き被検体774号 2017/05/10(水) 04:39:46.43 ID:COd6JsKY
俺が好きで好きでたまらなかった女を、下らない男達が寄ってたかって蹂躙し、
美しさを奪いとり、生涯を台無しにし、何がどうしたら…。
186: 名も無き被検体774号 2017/05/10(水) 04:40:37.54 ID:COd6JsKY
「選択肢はなかったのか?」
俺はあかねに尋ねた。
「選択肢?」
「俺はあかねが好きだった。好きで好きでたまらなかった。
それはあかねも知っていただろ?何処かのタイミングで俺に連絡を
取ろうとは思わなかったのか?そんな男達に人生をグチャグチャにされる前に、
俺で妥協はできなかったのか?」
187: 名も無き被検体774号 2017/05/10(水) 04:41:51.65 ID:COd6JsKY
「妥協だなんて…」
あかねは言った。
「たかお君はかっこ良かったし、正直、逃した魚は大きかったなぁ~
なんて思うことは、あったんよ。でも、たかお君はK君の親友やったし、
影がちらつくというか、やっぱ考えられへんかった」
188: 名も無き被検体774号 2017/05/10(水) 04:42:34.40 ID:COd6JsKY
あかねはどこまで行ってもKなのだな、と思った。
Kに対する嫉妬心が事あるごとに頭を擡げる。
俺もどこまで行ってもKへのコンプレックスから逃れられないんだな、と
自嘲気味に思った。
189: 名も無き被検体774号 2017/05/10(水) 04:43:21.51 ID:COd6JsKY
「実は、たかお君にお願いがあるの」
あかねは言った。そしてこれこそが今回の再開の目的であると言わんばかりに。
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