【1/2】同じ小学校の勝気な性格で負けず嫌いな女の子に恋をした。彼女の気を引く為に練習をサボり続けてた野球に本腰を入れた結果…
95: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 02:24:01.66 ID:zEEsm5BO0
続き。
ご飯をたべ終わると一気に気が緩んだのか眠ってしまった。
夢の中でまたサキと一緒にいた。
彼女は笑っていた。大好きだったあの笑顔で。
目を覚ましたらまた俺は泣いていた。
じいちゃんに
「お見舞いに行きたい。」
と伝えると
「わかった。」
と微笑んでくれた。
97: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 02:29:10.02 ID:zEEsm5BO0
出発前、ばあちゃんが俺を抱いて
「何でも抱え込んだらいけん。誰のせいとかどうすれば良かったとか無い
んよ、これから先でどうしないといけんか、どうしたいかだけ考えなさい。」
と言い聞かせてくれた。
この言葉が、今でも俺の心にしっかりと根をはって支えてくれている。
98: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 02:39:22.59 ID:zEEsm5BO0
病院に向かう車の中
じいちゃんはいろんな話をしてくれた
戦争体験者のじいちゃんは戦時中のとき
親友に頼まれて部隊配置を代わったらしい。
結果、代わった先が爆弾の直撃を受けてしまったと。
何故あの時交代したのか、当時は散々悔やんだと。
「でもな、過ぎた事を悔やんで引っ張っても底は来ないんよ。
悔いるよりも成すべきことを成さな。」
同じように悔やみきれない事があったと言うじいちゃんの言葉。
誰の励ましよりもあったかかった
99: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 02:42:55.58 ID:zEEsm5BO0
病院に顔出したとき、担任の先生がいた。
すごく心配そうな顔をして駆け寄ってきたが
「もう大丈夫です」
と伝えると
「声でわかるよ。良かった。」
と言ってくれた。
サキに会った。
たった2日来なかっただけなのにすごく久しぶりに思えた。
100: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 02:47:25.72 ID:zEEsm5BO0
病室の中には千羽鶴や花が飾られていた。
昨日、クラスの子が持ってきたらしい。
サキの両親も居た。
俺に笑顔を向けてくれた。
サキの手を握ると反応は無いが体温がしっかりと伝わってきた。
101: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 02:52:16.56 ID:zEEsm5BO0
帰りがけにサキ母から声を掛けられた。
「昨日、先生が今は大分状態は良くなっている。いつ目を覚ますか判らないけど
声は聞こえるから声を掛けてあげてって。だから俺君、サキを励ましてあげてね。」
と言われた。
俺が大きく頷くとサキ母はなんども
「ありがとう」
と言った。
本当は俺が言いたかった言葉だった。
103: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 02:57:21.41 ID:zEEsm5BO0
次の日から俺は学校に行きだした。
最初はクラスメイトから心配のまなざしを向けられたのが辛かったが
すぐにそれは無くなった。
相変わらず、敵意の目をKは向けてくるが
あの日以来、Kはクラスで浮いてしまったらしく、
教室の隅で一人で居る事が多かった。
H(主将)は今までの勉強の所を教えてくれたり、
数日の間フォローしてくれたりと動き回ってくれた。
そして、月が代わり12月になった。
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