【ウマ娘怪文書】カレンチャンがアドマイヤベガの元を訪ねると、彼女は何やらトレーナーと言い争いの最中であった。「俺は絶対全裸がいいなあ」「だから風邪引くじゃない」
8: 名無しさん(仮) 2023/07/20(木)23:20:34
「はい、じゃあ寝てくださ〜い」
カレンチャンが部屋の明かりを消す。先ほどの実験ではここから1分程で眠りについてしまった二人だが…
(これがアヤベの布団…なんか良い匂いがするのは気のせいだろうか…いかん、いかんぞ、教え子にそんなやましい…いやでもこの匂いと、えもいわれぬふわふわの感触…ましてや今着ているこれもアヤベの私物…!これは最早アヤベに包まれているようなものなのでは…)
(これがトレーナーさんの布団……衣服を纏ってない私を直で包み込んでる…トレーナーさんの……お、男の人の匂い…なんて濃い…はっ、駄目よアドマイヤベガ、そんな寮長じみたいやらしい考え…あの子に顔向けが…いやでもこの匂いは…普段も少し気になってはいたけどこんな近距離で…嗅がずには…)
二人とも寝るどころではなかった。
9: 名無しさん(仮) 2023/07/20(木)23:21:46
そんな様子を伺っていたカレンチャンは仰々しく独り言を呟く。
「お二人とも、ぐっすり寝ちゃったみたいだなー。じゃあカレンはまた30分後に迎えに来ますね〜」
嘘である。カレンチャンの両耳カワイイ・イヤーは地獄耳なので、呼吸音と心拍数で生き物が寝ているかどうかはすぐわかる。
それに仮にカレンチャンが同じ立場───「お兄ちゃん」の布団に入るなんて事になったら寝られるはずが無い。しかしあえて二人が寝ていない事をわかった上でこの場を去る事にした。
ただし、このままでは二人とも寝られずにそのうち解散する可能性が高いのはわかっている。なのでカレンチャンは部屋を出るまでに自家製のカワイイ・アロマを設置する事にした。
このアロマはほとんど無臭だが睡眠を誘発する効果があり、焚いてから10分ほどで徐々に効果が出始める。もしこの二人が10分以上相手の布団の匂いを楽しもうとする変態…もといカワイイ思考の持ち主ならそのままアロマの効果で朝までグッスリだろう。
10: 名無しさん(仮) 2023/07/20(木)23:23:02
────翌日の昼休憩。
「おはよう、アヤベさん!昨日はごめんなさい!カレン部屋に戻ってそのまま寝ちゃって…あの後どうでした?」
カレンチャンが寮の自室で目覚めるとアドマイヤベガは帰っていなかった。ということは当然あの後トレーナーと同じ部屋でトレーナーが普段使っている布団で寝たのだろうが…
「……おはようカレンさん」
アドマイヤベガはそれだけ言うと、耳まで赤くしてそそくさと去っていってしまった。何かあったのだろうか。
その後すぐアドマイヤベガのトレーナーを尋ねてみたが、同じような反応だった。
「あーあの後は……その…よく眠れたよ、うん。ははっ、心配してくれたの?ありがとう」
何があったのか気になりすぎる…監視カメラを用意しなかった事を悔やむ。カレンチャンはその日ずっとモヤモヤした気持ちになってしまった。
11: 名無しさん(仮) 2023/07/20(木)23:24:41
その日の放課後、あるトレーナーの部屋で芦毛のウマ娘が声高々に力説していた。
「いい?お兄ちゃん、睡眠は料理と同じなんだよ?」
彼女はその夜「お兄ちゃん」と二人で一晩かけて煮込んだボルシチを食べ、たいそう満足したらしい。
12: 名無しさん(主) 2023/07/20(木)23:25:31
おわり。「布団交換」ってシチュを思いついたので流行る世界を夢見てる
19: 名無しさん(仮) 2023/07/20(木)23:31:27
>>2
>かくして就寝スタイルスワッピング実験が行われる事になった。
なんて?