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友人がタヒんだと聞いて即駆けつけた俺。悲しいからではなく、本当にタヒんだか確認する為だった。そして出棺時の俺は笑みを…


457: おさかなくわえた名無しさん 投稿日:2013/10/15(火) 11:44:55.78 ID:FkTZaMiU

俺には、何人か幼馴染がいて、家族がよく「戦隊ものみたい」と言ってたので。ここでの仮名も色にする。

レッドは、リーダーシップのあるイケメン。運動も得意で、やたらもてる。

ブルーは、いつも冷静で、父子家庭のせいか、小さい頃からやたら大人びていた。

ホワイトは、女なんだけど、負けず嫌いで気が強く、面倒見がすごくいい。

俺はグリーンと言われた。チビメガネのガリ勉で、絵に描いたようないじめれっ子

これに、ブルーの妹(ピンク)が加わった5人で、よく遊んだ。




457: おさかなくわえた名無しさん 投稿日:2013/10/15(火) 11:44:55.78 ID:FkTZaMiU

親同士も幼馴染だったり、学生時代の友人だったりしたので、家族ぐるみの付き合いをしてて、特にブルーの父は多忙な人だったので

レッド、ホワイト、俺家で夕飯食べたり泊まったりすることも多かった。

前述の通り。俺はものすごいチビメガネで、根暗な性格だったので、よくいじめられた。

歩けばどつかれるし、しゃがめば蹴られる。泣けばメガネザルが吠えてると言われた。

そんなときに、必ず駆けつけてくれたのが、ホワイトだった。

ホワイトは発育がよくて、クラスで目立つほど大きかったので、「こらー!」と叫びながら駆け寄ってくるだけで、いじめっ子は逃げていった。

ホワイトは、俺にしょっちゅう説教してきた。

「やられたら、やり返せばいいのよ!」と言うホワイトに「でも、蹴られたら痛いよ」と俺は言う。

そうするとホワイトは呆れて「グリーンは私がいないとだめね」といって説教が終わるのがお決まりだった。

 




458: おさかなくわえた名無しさん 投稿日:2013/10/15(火) 11:46:39.62 ID:FkTZaMiU

俺は物心ついたときから、ホワイトのことが好きで、いじめられるのは嫌だったが、いつもホワイトが駆けつけてくれるのも、

いじめっ子を追い払った後、普段ツンツンしてるホワイトが優しくしてくれるのも、とてもうれしかった。

家の方向が同じなので、高校入るまで、ずっとホワイトと二人で登校してて、5人の中でも、特別俺たちは親しいと思っていた。

告白はできなかった。ホワイトに守られてる状態でっていうのが情けなかったし、断られたら、今までどおりに接してくれなくなるかもと思うと、怖かった。

せめて、ホワイトの世話にならないようになってから、と思ってた。

中学に上がると、レッドのイケメン具合に拍車がかかり、女子から絶大な人気を誇っていた。

それに関連して、レッドに親しい俺は女子から、レッドとのパイプ要員で重宝がられ、俺をいじめる→レッドの反感を買う→女子に総スカンを食らう→いじめた奴クラスで孤立

の図式が完成して、俺へのいじめは無くなった。

そんな頃、レッドに「お前、どうすんの?」ときかれた。レッドは、俺がホワイトを好きなこと知ってた。

変わらずに、ホワイトのことは好きだった。でも、今までの関係が壊れるのも嫌だった。

ホワイトの彼氏になって、手をつないだり、二人っきりで遊んだり、キスしたりしたいっていう感情が無いわけじゃなかったけど

俺の中では絶対そうしたいってものでもなかった。それをレッドに伝えると、「それでお前がいいなら」と言ってくれた。

 





459: おさかなくわえた名無しさん 投稿日:2013/10/15(火) 11:48:43.07 ID:FkTZaMiU

レッドは運動部で活躍し、ブルーは美術部で賞をもらったりしてた。ホワイトは生徒会を勤めてて、3人に釣り合いたくて

俺は必死に勉強した。その結果、高校受験では、志望校に推薦合格できた。

レッドは、部活が強いと言う理由で、ホワイトは、成績的に妥当なところを、ブルーは、金銭的事情で、同じ高校を受けた。

俺は一足先に合格できたので、みんなの勉強を見たりした。その成果か、めでたく全員合格。

「すごい、すごい、全員受かってる」と、ホワイトは涙ぐみながら「グリーンのおかげだね、本当にうれしい」と、感極まって抱きつかれた。

そのとき、俺はホワイトよりも背が高くなっていた。

それに気づいたら、急にホワイトに気持ちを打ち明けたい衝動に駆られ、ついに俺は、入学式の日に告白しよう、と決心した。

 




460: おさかなくわえた名無しさん 投稿日:2013/10/15(火) 11:49:48.43 ID:FkTZaMiU

ホワイトとブルーが付き合ってる、と知ったのは、卒業式の1日前だった。ブルーと俺とで、同じ高校に行けてよかったな、と休み時間に話してたら

「ブルーはいいよな、ホワイトさんもいるなら、初っ端から彼女持ちじゃん」と、俺たちの横を通り過ぎ様と、クラスの奴が言ったんだ。

目の前にブルーがいるのに、何故か俺はそう言った奴を問い詰めた。そして、美術室にいつも二人っきりでいること、二人で腕組んで歩いてるのを見た人もいる、と。

放心状態になりながら、ブルーに尋ねた。

俺「ホワイトと付き合ってんの?」

ブルー「グリーンのことはわかってたけど、グリーンを理由に断るのは何か違うと思った」

俺「答えになってないよ。ちゃんと答えて」

ブルー「俺としては、そういう気は無いけど、周りやホワイトが言うならそうなんだと思う」

埒が明かない、と思って、俺は衝動的にホワイトのクラスへ行った。

ホワイトを見つけて、廊下まで連れ出したはいいが、ホワイトを前にすると何も言えなかった。

「何?用事あるんじゃないの?」とホワイトにせっつかれて、ようやく俺は「ブルーと」とだけ言った。

それで察したのか、ホワイトは見たことも無いくらい可愛い顔して「うん、そうなの。ブルーと付き合ってるんだ」と口にした。

「レッドとグリーンに言っておきたかったんだけど、なんか照れくさくって。今まで黙っててごめんね?」

 




461: おさかなくわえた名無しさん 投稿日:2013/10/15(火) 11:50:28.43 ID:FkTZaMiU

「でも、ブルーに聞いたら、そんな感じじゃなかったよ?」

腹の底から、すごく冷たい声が出た。俺の言葉に、ホワイトはちょっと顔を俯かせて

「ブルーは、恋人とか欲しくないんだって。でも、それでもいいんだ。なんかブルーって、ほっとけないって言うか」

言いながら、ホワイトはニコニコしていた。幸せそうな顔、というのか。

ブルーの母は、子供をほったらかしにして遊び歩く女だったそうで、ブルーの親父さんは相当苦労されたようだった。

だからか、ブルーは彼女も奥さんも欲しくない、と俺たちに言っていた。そういう奴だ、と俺もよく知っていたので、

ホワイトのゴリ押しでそういう関係に持っていったのが、目に浮かぶようだった。

その頃すでに10年以上の付き合いだったから、尚更、別の可能性を見出すことができなかった。

中学に入りたての頃、レッドが俺に「どうする?」と聞いた理由が分かったような気がした。

不思議と悲しくは無かった。その代わり、ブルーに対して、途方も無い憎悪が生まれた。

ホワイトのことを好きでもないのに、拒まないで、ホワイトを囲っているところが、たまらなくクズに思えた。

俺だったら、ホワイトを宝物のように扱うのに。俺だったらって、そればかり考えてた。

 




462: おさかなくわえた名無しさん 投稿日:2013/10/15(火) 11:51:49.29 ID:FkTZaMiU

高校に入ってからは、ホワイトはブルーへの気持ちを隠すことも無くなり、ただひたすら、ブルーにベタ惚れしているようだった。

毎日弁当を作ってきて、絵を描いていたブルーの筆箱をチェックして。そろそろ切れそうな画材があれば、買い足していた。

ブルーはブルーで、彼氏としてそっけない態度を貫き通し、「本当に付き合ってるのか?」とレッドは首をかしげるほどだった。

そうすると、ホワイトがブチ切れて「ブルーは今のままでいいの!」と叫んだ。

不思議と、俺たち5人の付き合いは変わることは無かった。ブルーと二人で遊びに行くこともあった。

でも、ふとした拍子に、例えば駅のホームに立ってるブルーの背中を押したらどうなるんだろう、と思ったりした。

ブルーを押そうと両手を構えるんだけど、その度に、だとしても、ホワイトは俺に振り向いたりしないんだろうな、と結論付けて、手を下ろした。

そうこうしているうちに高校を卒業。

レッドは家業を継ぎ、ブルーは美大、ホワイトは地元公立大、俺は、遠方の大学へ入学。そのままそこで就職。

就職してから2年後、ブルーとホワイトが結婚したと、ホワイトから報告を受けた。

ブルーの意向で、式はやらないそうだが、ホワイトはとても幸せそうだった。

ブルーへの憎しみは消えないままだったが、それでも、ホワイトの笑顔が見れるなら、これが正解なんだろう、と

自分を無理やり納得させた。

 




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