【嫁は毒の達人】嫁「あなたァ…生命保険入らない?」ゴリゴリ 男「毒の調合しながら言わないでくれる?」
53: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/19(水) 22:47:29.637 ID:ekOu428X0
男「…………」
男(いったいどんな効果が……)
男(ん、いつもみたいに背中にかゆみが――)
男「あれ?」スー…
男「かゆみが消えた!」
嫁「すごいでしょ?」
男「すごいよ、これ! うちの会社で製品化したいぐらいだ!」
嫁「そりゃー無理ねえ。あたしじゃなきゃ扱えないヤバイ成分いっぱい入ってるから」
男「なるほど」
嫁「……って怒らないの? よくもそんなもん飲ませたなって」
男「別に。こと毒に関しては、君のことは100パーセント信頼してるから」
嫁「……んもう、そんなこといわれるとこっちがかゆくなっちゃうわ」
55: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/19(水) 22:50:04.180 ID:ekOu428X0
……
男「いやー、あの薬……もとい毒のおかげですっかり快調だよ!」
嫁「そう……」
男「あっ、かゆい……」
嫁「!」ピクッ
男「おおっ……かゆみが取れた」スー…
嫁「…………」
56: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/19(水) 22:52:14.949 ID:ekOu428X0
嫁「ねえ」
男「ん?」
嫁「たまには背中かいてあげよっか?」
男「いや、いいよ。まだあの“かゆいところに手がと毒”が効いてるからね」
嫁「あ、そう……」
嫁「…………」ムラムラ…
57: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/19(水) 22:54:23.993 ID:ekOu428X0
男「あのさ、あの毒切れちゃったんだけど、新しいのくれない?」
嫁「もうないわ」
男「じゃあ調合してくれよ」
嫁「もう作れないわ」
男「え、なんで? 材料はあるはずだろ?」
嫁「作れないの! 今まで通り、あたしにかかせてくれればいいじゃない! ね、そうしましょ!」
男「……まぁいいけど。変な奴だなぁ」
おわり
59: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/19(水) 22:58:44.828 ID:ekOu428X0
第四話『毒を食らわば皿まで』
― 会社 ―
上司「よいか、我が社は製薬会社とはいえ、医薬品だけを売っているのではない」
上司「君たちも、たまには医薬品以外のことも考えてみろ! アイディアを出すのだ!」
男「…………」
男「どうしたんだ、突然?」ボソッ
同僚「きっとテレビの影響だろ。昨日“新事業に取り組む企業”なんて特集やってたし」ヒソヒソ…
上司「コ、コラーッ! 図星を突くな!」
上司「とにかく、たまには薬以外のことを考えることも必要だ!」
上司「今週中に何かしら、企画を提出するように!」
同僚「ちっ、面倒なことになったなぁ。こっちもヒマじゃないってのに」
男(企画か……)
60: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/19(水) 23:01:16.599 ID:ekOu428X0
― 自宅 ―
男「うーん……」
嫁「企画ねえ……」
嫁「ようするに、売れる商品を提案すればいいんでしょ? 楽勝よ!」
男「たとえば?」
嫁「あたしが毒作ってバラまいて、あなたが解毒薬作ればいいのよぉ~! バカ売れ間違いなし!」
男「そりゃ犯罪だよ」
61: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/09/19(水) 23:03:47.327 ID:ekOu428X0
― 会社 ―
同僚「なにか思いついたか?」
男「いや……全然」
同僚「だよなぁ。ったく、あの人も気まぐれでモノいわないで欲しいよ」
男「だけど……」
同僚「ん?」
男「日常業務をやりつつ、こうやってあれこれと新しい企画を考えるのも楽しいよ」
男「新薬開発はとにかく時間がかかるし、いい気分転換になる」
同僚「前向きだなぁ、お前は」
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