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【ウマ娘怪文書】ウマ娘の名門と言われる家系は少なからずその素養を受け継いでいる 何代も結果を残してきた家系ともなればその傾向は強くなり体質や適性、容姿まで似るのも珍しくない


1: 1/3 2024/08/13(火)19:37:34

ウマ娘の名門と言われる家系は少なからずその素養を受け継いでいる
何代も結果を残してきた家系ともなればその傾向は強くなり体質や適性、容姿まで似るのも珍しくない
『もし、そこなお方……』
「うん?なんだいルビー……ではありませんね?」
『流石は一族のトレーナー。察しが早くて助かります』
控えめな、しかし強い意志を感じさせる声に振り返ると一人の小柄なウマ娘が立っていた
俺の担当ウマ娘であるダイイチルビーそっくりだが、どこか日本人離れした佇まい
会うのは初めてだが見覚えがある。ルビーの実家の肖像画にあった、彼女のご先祖様だ
「改めてご挨拶を。私、次期当主様の担当トレーナーの……」
『存じております。しかし、私の正体をご存知でありながら驚かれないという事は』
「ええ。ここ数日で先々代様と先々々代様と先々々々代様には御目にかかっております」
折しも八月も半ば。お盆も近く先祖の霊魂が帰ってくる時期である
ウマ娘の、とりわけ名門の家系は魂の繋がりも強いのか、こうして現世に顕現することもある
『なれば、私の言わんとすることも分かりますね?』
「はい!身命を賭してルビ……次期当主様を支えていく所存です!」




2: 2/3 2024/08/13(火)19:38:35

高松宮記念やマイルCSを制覇したからといって、それでルビーの活躍は終わりではない
これからも数多くのレースに挑戦し、いずれ政財界に羽ばたくまで支えるのが俺の使命。いや、願いだ
『それは重畳。一族を……いえ、あの子を頼みましたよ』
「誠心誠意、努めさせていただきます」
ああ、やっぱり。他の先祖とも示し合わせてはいないだろうに、このお方も一族より子孫のことを案ずるのか
胸に暖かなものを感じつつ最敬礼から身を起こすと、やはりご先祖様は煙のように消えているのであった

「私に似た姿の幻……トレーナーさんもお会いしたのですか」
「その言い方からするとルビーもか。お互い気が休まらないな」
仕事の合間、お茶に誘われた俺の話にルビーもまた同様の反応を示した
彼女からすればドッペルゲンガーのようなものだろうに、その表情からは動揺は見られない
きっと俺以上に肖像画を見慣れているから……とも思ったが、どうやらそうではないらしい
「そんなことはございません。もし一族の歴代当主の御目にかかれるのであれば、それは名誉な事と存じます」
「もし……?ルビーもご先祖様に会ったんじゃないのか」
「いいえ、ここ数年は全く」






3: 3/3 2024/08/13(火)19:39:43

背筋に冷たいものが走ったのはおそらくエアコンのせいではないだろう
そんな俺の動揺をよそにルビーは記憶を掘り起こしながらその指を折って数え上げていた
「シガー、ビビット、サンデー……本日のキャプテンで7人目。何れも一族に無い名前です。
 皆、お父様とは思ったことをちゃんと言葉にして話し合え、と少々食い気味に仰っておりました」
「お父様かぁ……もしかしてルビーの未来の子供たちだったりするのかな?」
特に考えなしに漏れた言葉にルビーの紅茶を持つ手が止まる
その宝石のような瞳が何かを訴えるかのように俺を捉えたか……に思えたが、しばらくして彼女は呟いた
「……だとしても、7人は多すぎるかと存じます」
「ですよね。ごめん、忘れて……」
そもそも生まれてもいない魂が既に存在するなんて、どこか別の世界から来てるとでも考えなければ成り立たない
我ながら突飛な推理を振り払うとともに、俺はその言葉に反応するように巻き起こるポルターガイストから目をそらした





4: 名無しさん(仮) 2024/08/13(火)19:47:55

そっちかぁ…




5: 名無しさん(仮) 2024/08/13(火)19:49:12

異界の魂…




6: 名無しさん(仮) 2024/08/13(火)19:52:18

(意訳)頑張らねえと私等がどうなるかわかってんよな?あぁん?




8: 名無しさん(仮) 2024/08/13(火)19:57:19

>>6
7人は誕生させないといけない未来…




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