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【前編】大学に通う意味が分からなくなって家でPCいじってたら二年間の留年が決まった。そんな最悪で最低な生活をしてた俺に「父が入院する事になった」との連絡がきた事で人生が…


68: ムー 2009/04/07(火) 20:19:21 ID:80Wq+JX7

たくさんしゃべるし、たくさん遊ぶ。
だけどまじめな会話はあまりしたことがなかった。

暗い話とか、つらい話とかはなぜかあまりしない。
だからことときもそうだった。

お互いに暗くしないように、
沈黙を作らないようにしゃべってる感じがした。

特に姉がそうだ。あまり頼りない姉だけど、
いるだけで楽しくなる姉だった。

いつも家が暗いと、しゃべりまくって元気付けてくれる。 
いい姉だ。




69: ムー 2009/04/07(火) 20:24:52 ID:80Wq+JX7

妹は逆に冷静なタイプ。
いつもぼーっとしているように見えて

いざいうときに力をはっきする。 
意外と頼もしい妹。

2人とも俺を好いてくれている。
俺も2人が好きだ。

ここで俺がしっかりなきゃいけなかった。
2人を、家族を支えなきゃいけなかった。

俺は男なのだから。長男なのだから。

男だからしっかりしなくちゃとか今時はやらない?
今時そんなことない?

俺もそう思ったこともある。前はそうかもしれない。

でもやっぱり男ってのはそういうもんなんだと思う。
これは男に生まれてきた宿命だと。

ちょっと大げさかもしれないけど、今はそう思っている。




70: 天王星のwiki見てきたら 2009/04/08(水) 16:25:33 ID:aZhuSoiW

見てるよ。頑張って続き書いてくれ





73: ムー 2009/04/09(木) 15:39:49 ID:0mHCyEQ3

みんな見てくれてありがと。
コメントとてもうれしいです。
ほんとペース遅いけど最後まで書きます。

書きながら俺も少しずつ変わっていけてる、
気がしないこともないです。

書き終えるころにはちょっとでも成長してたいなぁ・・・なんて。




74: ムー 2009/04/09(木) 15:44:37 ID:0mHCyEQ3

病院に着くと親父のいる部屋に向かった。

以前は5階の個室だったが、
今親父がいる部屋は6階の特別室だった。

高級ホテルなみの大きな部屋だ。
1日1万5千円かかるのだが、あいにく今空いている部屋が

特別室しかなく、1日5千円と同じ値段で使わせてもらっていた。

親父は大きなエアーベッドで寝ていた。
俺は最悪な状態も覚悟していたのだが、
なんとか命は保っているようだった。

俺「親父、俺。ムー。帰ってきたよ」

親父「・・・ぉぅ。」

小さな返事。
今の親父はその返事が精一杯のようだった。




75: ムー 2009/04/09(木) 15:51:11 ID:0mHCyEQ3

鼻には酸素を送られ、
体には心拍を測るコードをつけられていた。

痛々しかった。親父の姿をあまり直視したくなかった。

でも今の親父はこういう状態なのだ。
逃げてばっかりいてはいけないと親父のそばに寄った。

目もうつろな感じで、寝心地が悪そうだった。
親父は心不全にもなっている。

心不全の人はたいてい眠れないらしい。
体の落ち着く場所がないのだという。

眠れたら、少しは楽になるのだけれど、それも許されないのだ。




76: ムー 2009/04/09(木) 20:52:11 ID:0mHCyEQ3

部屋には、母、父の祖母、姉、妹、俺がいた。
6人家族、以前はこの6人で暮らしていた。

祖母はよくしゃべる人だが、このときはさすがに静かだった。

しばらくすると、祖母と姉が帰ることなった。
姉は明日仕事で、
祖母はこの場いられないといった感じだった。

祖母が部屋を出るときに小声で
「たのむね。ムー。」という声が
今まで聞いたことがないような、切なく小さな声だった。

姉と祖母が出て行ったあと。

母「休学の手続きはできた?」


「うん。母ちゃんが書く書類もあるからあとで書いてね」

母「わかった」

母もいつもの元気がない。
そりゃそうだ。大黒柱が今にも倒れそうなのだから。




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