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【ウマ娘怪文書】「プレゼント……ですか?」「うん。ちょっと時間が経っちゃったけど、高松宮記念連覇の記念に」遡ること数週間前。ルビーは親子3代で制覇してきた高松宮記念にて連覇を達成 一族の歴史に新たな蹄跡を残した


1: 名無しさん(仮) 2024/04/26(金)01:52:54

必要以上に語らず、心の機微を悟らせず、一族の象徴としてその責を全うすること
そんな大人でも息が詰まりそうな生き方を学生の身で完璧にこなす少女がいた
彼女の名はダイイチルビー。華麗なる一族の次期当主にして俺の担当ウマ娘である
「プレゼント……ですか?」
「うん。ちょっと時間が経っちゃったけど、高松宮記念連覇の記念に」
遡ること数週間前。ルビーは親子3代で制覇してきた高松宮記念にて連覇を達成
一族の歴史に新たな蹄跡を残した彼女は優勝者インタビューでその喜びを表したのだが……

『この結果に奢ることなく、これからも一族を背負う者として邁進してまいります』
(ルビー!それ去年も言ったやつだよ!)
『存じております。それでは次の方』

揺らがぬ意思。果てなき向上心。華麗なる一族の象徴としては満点の回答に違いない
だがこのままでは多くのファンの目にルビーは血の通わぬ偶像として映ってしまうのではないだろうか
一計を案じた俺はささやかながらこの現状を変えるきっかけを用意した。ただし、それに乗るかどうかはルビー次第だ




2: 名無しさん(仮) 2024/04/26(金)01:53:11

「本来であれば個人的な贈答品はお断りするところですが……貴方のことですから意味のあることなのでしょう」
「理解が早くて助かる。中身は……」
「お待ち下さい。今、拝見してもよろしいでしょうか?」
「もちろん。開けてみてくれ」
プレゼントを開けるのを待ちきれないなんてルビーも可愛いところがある……というのは考えすぎか
丁寧に包み紙を開け、出てきた代物にルビーは珍しく動揺した表情を見せた
「なっ!?……トレーナーさん、これで……間違いないのですか……?」
「ああ。取り寄せるのにずいぶん時間がかかったよ」
それは長短一対の革製の帯。チョーカー……と呼ぶには厳つすぎる首輪と、それに付けるリードだ
言うまでもなく彼女の実家で飼っている愛犬、サフィーの体格や毛色に合わせて誂えた逸品である
素材には上質な天然皮革を用いており、肌への刺激も少なくなるように出来ている
「ルビー?静かになっちゃったけど……迷惑だったかな」
「……申し訳ございません、少々意図を判じかねております。これは一体どのような……」
「どのようなって……普通に付けてもらうだけだけだよ。あと、ファンの皆様に見ていただくとか」
「!!?」






3: 名無しさん(仮) 2024/04/26(金)01:57:14

もう何年も契約している俺にさえ笑顔を見せたことがない彼女だが、年頃の少女らしく頬が緩む場面もある
顕著なのは彼女が純粋に愛情を向けられる存在……つまりサフィーと一緒にいる時だ
敷地内飼いでリードはおろか首輪も着けないサフィーもこれを機に外に出る訓練もしたほうがいいだろう
「……お言葉ですが、正気とは思えません」
「そ、そんなにかな……普段人前じゃ見せないルビーの素顔とか、見たいと思うんだけどな」
(……興味がない訳ではありませんが……)
「うん?ルビー、何か言った?」
「いえ、何も。では次のレース前の会見でお披露目するということでよろしいでしょうか?」
「ああ!俺もなるべく取材陣を集めるよう努力するよ!」
かくしてダイイチルビーのイメージアップ大作戦の幕が切って落とされた
ルビーはというとサフィーに付けた姿を想像していたのか、しばしば物思いに耽る姿が目撃されたという

数週間後。ヴィクトリアマイルの出走者会見に集まった取材陣に対し、俺の贈った首輪は俺の想定とだいぶ違う形で公開
ルビーの母が総力を挙げて箝口令を敷き事なきを得たが、一族に返しきれない借りを作ったのは言うまでもない





4: 名無しさん(仮) 2024/04/26(金)01:58:11

クソボ…いやこれは…




5: 名無しさん(仮) 2024/04/26(金)01:58:39

トレーナーに付けたな…




6: 名無しさん(仮) 2024/04/26(金)01:59:40

いや自分に付けたと思うね




7: 名無しさん(仮) 2024/04/26(金)02:00:50

どっちが付けても美味しいヤツだこれ




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