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【洒落怖】洒落にならない怖い話『海を見たらあかん日』


803:803 ◆8bbhN14TpI:2007/11/05(月) 11:14:55 ID:EYJeND380

子供の頃の怖い体験がふと思い出されたのでカキコ。

長くなると思うんで、思い出したのをまとめながボチボチ書きます。



9月にうちのばあちゃんの姉(おおばあ、って呼んでた)が亡くなって、

一家揃って泊まりで通夜と葬式に行ってきた。

実質、今生きてる親族の中では、おおばあが最年長ってのと、

うちの一族は何故か女性権限が強いってのもあって、葬式には結構遠縁の親戚も集まった。



親戚に自分と一個違いのシュウちゃん(男)って子がいたんだけど

親戚の中で自分が一緒に遊べるような仲だったのは、このシュウちゃんだけだった。

会えるとしたら実に15年振りぐらい。



でも通夜にはシュウちゃんの親と姉だけが来てて、

期待してたシュウちゃんの姿はなかった。



この時ふと、小学生の頃に同じように親戚の葬式(確かおおばあの旦那さん)があって

葬式が終わってからシュウちゃんと一緒に遊んでて、怖い目にあったのを思い出した。






809:803 ◆8bbhN14TpI:2007/11/05(月) 11:57:26 ID:EYJeND380

うちの父方の家系はちょっと変わってて、家督を長男じゃなくて長女が継いでるらしい

父方の親族はおおばあもみんな日本海側の地域いるんだけど、うちは親父は三男ってのもあって、

地元では暮らさず、大阪の方まで出てきてて、そういった一族の風習とは無縁

シュウちゃんの家もうちと同じように地元を離れた家みたいで、神奈川在住。



夏休みは毎年、お盆の少し前ぐらいからおおばあの家に集まって、

法事だの地元の祭に行ったりだの、親族で揃って過ごす。

うちとかシュウちゃんの家なんかは、他の親族と違って

かなり遠方から来ることになるので、おおばあの家で何泊かすることになる。



おおばあの本宅が海に近い(道路挟んで少し向こうに海が見えてる)から、

朝から夕方までシュウちゃんと海に遊びに行ってた








812:803 ◆8bbhN14TpI:2007/11/05(月) 12:16:20 ID:EYJeND380

俺が小学校2、3年の冬に、おおばあの家で葬式があって(死んだのは旦那さんのはず)、

その時もうちは泊まりがけで通夜と葬式に出席。シュウちゃんところも同じように泊まりで来てた。

元々俺は脳天気な人間なんだけど(さっきのカキコ見ての通り)、その頃は輪をかけて何も考えてなくて、

葬式云々よりもシュウちゃんと遊べるってことしか頭になかったw



朝出発して、おおばあの家に着いて、ご飯食べてしばらくしてから通夜

この辺は何かひたすら退屈だったことしか覚えてない。全然遊べないし。



泊まる時は「離れ」が裏にあって、そこに寝泊まりするんだけど、

その時は他に来てた親族がほとんど泊まるから離れが満室。自分たちは本宅に泊まった

晩飯終わってから、「何でこんな日に亡くなるかねえ」とか親戚がボソっと口にしたのを覚えてる。



翌朝起きたら(大分早かった。6時とか)、おおばあとかばあちゃん、他の親戚の人がバタバタしてて

家の前に小さい籠?何か木で編んだそれっぽいものをぶら下げて、

それに変な紙の短冊?みたいなものを取り付けたりしてた。



ドアや窓のあるところ全部に吊してて、紐一本でぶら下がってるから、

ついつい気になって手で叩いて遊んでたら、親父に思いっきり頭殴られた



そのうち雨戸(木戸って言うのかな)とか全部閉めはじめて、

雨戸の無い台所とかは大きな和紙みたいなのを窓枠に画鋲でとめてた

人が死んだ時の風習かなあ、ってのが最初の感想だった。









813:803 ◆8bbhN14TpI:2007/11/05(月) 12:36:06 ID:EYJeND380

朝も早いうちから告別式がはじまって、

途中はよく覚えてないけど、昼少し過ぎた辺りにはほとんど終わってた

薄情な子供かもしれないけど、これ終わったら遊べるってことしか頭になかったなあ



途中、昼飯食べたんだけど、みんなあんまりしゃべらなかったのを覚えてる

何時頃か忘れたけど、結構早いうちに他の親戚は車で帰っていって、

本宅にはうちの家族とシュウちゃんの家族だけ残った。



夏みたいに親戚みんなで夜までにぎやかな食事ってのを想像してたんだけど、

シュウちゃんとちょっと喋ってるだけで怒られたのが記憶に残ってる。



家の中でシュウちゃんと遊んでたら「静かにせえ」って怒られた

夕方にいつも見てるテレビ番組が見たくて「テレビ見たい」って言っても怒られた

「とにかく静かにしとけえ」って言われた

今思ったら、親もおおばあもばあちゃんも喋ってなかった








814:803 ◆8bbhN14TpI:2007/11/05(月) 12:52:35 ID:EYJeND380

思い出すことを片っ端から書いてるので、ダラダラとした文章になってる

申し訳ない。



続き。





あんまりにも暇だからシュウちゃんと話して「海見にいこう」ってことになった



玄関で靴をはいてたら、ばあちゃんが血相変えて走ってきて

頭叩かれて、服掴んで食堂の方まで引っ張っていかれた。

食堂にシュウちゃんのお父さんがいて、ばあちゃんと二人で



「今日は絶対に出たちゃいかん」

「二階にいとき」



って真剣な顔して言われた。

そのままほとんど喋ることなく、シュウちゃんとオセロか何かして遊んでて、気が付いたら2階で寝かされた



どれぐらい寝たのか分からないけど、寒くて起きたのを覚えてる

2階から1階に行く時に、魚臭さのある匂いがした(釣場とかよりももうちょっと変な潮臭さ)

時計を見に居間を覗いたら、おおばあとかうちの親が新聞読んだりしてて、誰も喋ってなかった

何か妙に気持ち悪くて、トイレで用を足した後、2階に戻ろうとしたら廊下でシュウちゃんと出くわした。








815:803 ◆8bbhN14TpI:2007/11/05(月) 13:14:27 ID:EYJeND380

「あんね、夜に外に誰か来るんだって」

とシュウちゃん。



おおばあ達が今朝、何かそれらしいことを口にしていたらしい。それをシュウちゃんが聞いたようだ。

ちょっと確かめてみたいけど、2階も雨戸が閉まってて外が見えない。



「便所の窓開くんちゃうかな」



さっきトイレの小窓がすりガラスで、雨戸がなかったのを思い出した。

便所は家の端で海側(道路側)に窓があるから、二人で見に行こうと言うことになった。



冬のトイレは半端じゃなく寒いんだけど、窓の一つ向こうに何かがいるという思いこみから、

秘密基地に籠もるような、奇妙な興奮と、同時に背筋に来るような寒気を覚えた。



「ほんまにおるん?(本当にいるの?)」



小声でシュウちゃんに話しかけ、

シュウちゃんもヒソヒソ声で



「いるって、おばあが言ってたもん」








818:803 ◆8bbhN14TpI:2007/11/05(月) 14:12:57 ID:EYJeND380

トイレの小窓は位置が高く、小学生の自分の背丈では覗けない。

便器の給水パイプが走ってるから、そこに足を乗せて窓を覗く形になる

最初は自分が外を見ることになった。



音を立てないように静かに窓をずらして、外を見た。



軒の下で籠が揺れてる。

視界の端、道路から家まで、何か長いものが伸びていた。

よく分からないけど、その長いもののこちら側の先端が、少しずつこっちに向かってきている。

10秒ほど見てから、何か無性に恐ろしくなって身震いして窓を閉じた。



「誰かいた?」

「よく分からんけど、何かおった」

「僕も見る」

「何かこっちに来てるみたいやし、逃げようや」



多分、自分は半泣きだったと思う

寒さと、得体の知れない怖さで今すぐ大声で叫んで逃げたかった。








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