比奈「楽しい数学?」加蓮「グラフ理論編!」 (15)(完)
8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/04/09(火) 20:11:05.56:pQEOMo+80 (8/15)
1.四色定理
P「基礎も説明したし早速事例について話そうか まずは四色定理について…ということで突然ですが比奈に問題です」
比奈「アタシっスか!?」
P「何、比奈にも関係ある問題だ 平面の地図…あるいは絵でもいい 同じ色が隣接しないように塗り分けるには最大でも何色必要でしょうか?」
加蓮「先生ー…じゃなかった プロデューサーに質問!それってグラフ理論関係あるの?」
P「これが関係あるんだな 塗る場所をノード、隣接しているかどうかをエッジとするとグラフ理論に落とし込めるんだ」
比奈「なるほど…で、何色で塗り分けられるかっスよね…四色定理って言ってるくらいだから四色じゃないっスか?」
P「そう、四色あれば塗り分けられる、と言われているんだが…」
9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/04/09(火) 20:11:56.50:pQEOMo+80 (9/15)
奏「妙に歯切れが悪いわね…何か問題でもあるの?」
加蓮「あ、分かった!まだ証明されてないんでしょ!」
マキノ「いや、証明はされた、と言われてはいるの ただその方法がコンピュータを使った証明で…」
奏「…それ、問題なの?」
P「そう、世界で初めてコンピュータを使った証明だったんだ…そしてそれが人間には追試出来ない方法だったわけだ」
加蓮「人間には出来ない?どういうこと?」
P「証明の方法を大雑把に説明すると全ての地図をパターンに分けて、そのパターン全てが四色で塗り分けられるかシミュレートした…というものだ」
比奈「まさに力押し…コンピュータならではっスね」
10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/04/09(火) 20:12:34.69:pQEOMo+80 (10/15)
P「当然反発も起きてな…今でも分類が減ったりはしているがコンピュータ無しでの証明方法は未だに発表されていない」
マキノ「エレガントな証明の対比としてエレファントな証明なんて言われてしまっているわ」
奏「見えているのに人の手では届かないなんて、歯がゆいものね…」
P「人の手による証明が出来るようになるかは分からないな…フェルマーの最終定理を当時の理論のみで証明するよりは可能性はあると思うが」
加蓮「フェルマーの最終定理は聞いたことある!当時の理論のみってどういうこと?」
マキノ「フェルマーの最終定理自体は証明されているの ただ当時は知られていない現代数学の理論を大量に使っていて…」
P「だからフェルマー自身が解けていたか、という話だ 詳しく話そうと思うと脇道にそれるしこの余白はそれを書くには狭すぎる」
比奈「さては最後のが言いたかっただけっスね?」
11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/04/09(火) 20:13:14.83:pQEOMo+80 (11/15)
2.巡回セールスマン問題
P「ともあれ、四色定理でコンピュータの貢献も説明したことだし次はコンピュータの限界について話そうか 巡回セールスマン問題だな」
奏「セールスマンが回る地点をノード、通るルートをエッジにする、といったところかしら?」
P「流石にみんな慣れてきたか その通り 全ての地点を一度だけ回る時の最短ルートを考える問題だ」
加蓮「それこそコンピュータを使えば簡単なんじゃないの?」
P「勿論、回る場所が少なければ総当たりでいいんだが…」
マキノ「問題は回る場所の数の増加に対してルートの数とその組み合わせの増加スピードが圧倒的、ということ」
比奈「言われてみれば…点が一つ増えると今まであった点の数だけルートが増えるっスね つまり組み合わせの数はもっと…」
12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/04/09(火) 20:14:08.42:pQEOMo+80 (12/15)
奏「多すぎてちょっと考えたくなくなってくるわね…」
加蓮「もしかして、この問題って解決出来ないの?」
P「そう、点が増えれば増えるほどに最適解の導出は困難になっていく」
マキノ「ただ、総当たりを諦めて最適解に近いものを導出することは出来るわ 近似アルゴリズムと呼ばれるものね」
比奈「アルゴリズム…どんなのっスか?」
P「厳密性に欠ける大雑把な概略を説明するなら…最初に適当なルートを入れて、それに似たルートのうちいい方に乗り換え続ける、とかかな」
加蓮「それを続ければ最適解にたどり着けそうに聞こえるけど…」
マキノ「可能性はあるけれど…アルゴリズムの問題で局所的な解に陥って最適なところにたどり着けないこともあるわ」
13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/04/09(火) 20:15:08.40:pQEOMo+80 (13/15)
P「勿論、より良いアルゴリズムの開発も続けられてはいる…人の手でな」
加蓮「そっか…なんでもコンピュータに任せるわけにはいかないんだね…」
奏「ふふっ…それこそ、私達アイドルの活動もコンピュータには任せられないでしょう?」
マキノ「あら、昔はチェスも将棋もコンピュータは人間に勝てるようにはならないなんて言われていたけれど、技術者はそれを覆したのよ?」
比奈「それに今はAIが絵を描く時代っスよ?アタシ達もうかうかしてたら…」
P「つまり、これからのアイドルはAIが持ってない、あるいはAIに負けない魅力を見せていく必要があるってことだ!」
加蓮「と、いうことで機械に頼り切りにならず私達もレッスン頑張ろー!」
奏比奈マキノ「おー!」
14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/04/09(火) 20:15:38.12:pQEOMo+80 (14/15)
P「…話したいことを適当に話していただけだったが以外といいところに着地出来たな」
比奈「その一言で台無しっスよ!」