塩見周子「抱きしめてほしくなる」 (41)(完)
8: ◆WO7BVrJPw2:2024/03/20(水) 13:30:10.76:2zoH+TIh0 (8/41)
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周子「――え?。じゃあ、Pさんも割とやんちゃだったんやねぇ」
P「別に法に触れたことはないって……」
周子「そんで、普通に大学出て普通に就職した?」
P「まぁ、そうなるな」
周子「ふぅん」
P「なんだよ」
周子「ううん」
9: ◆WO7BVrJPw2:2024/03/20(水) 13:30:42.62:2zoH+TIh0 (9/41)
P「ん……やっと弱まってきたかな」
周子「お。これくらいなら行けそうね」
P「じゃあ、行くか」
周子「……」
P「……周子?」
周子「ねぇ」
周子「Pさんは明日、お休みって言ったよね」
P「ん?」
P「……言ってない」
周子「うわっ、この人さらりと嘘つきよる」
10: ◆WO7BVrJPw2:2024/03/20(水) 13:31:22.15:2zoH+TIh0 (10/41)
周子「つまり、あたしが何言いたいかわかったってことよね?」
P「わかってない、知らない、さっさと飯いくぞ」
ウイーーン コツコツ…
P「もう小降りだな」
周子「ご飯は行くけど。その後でさ」
P「まっすぐ帰る」
周子「そんなこと言わずに」
P「……言わずに、何したいって」
周子「やっぱりわかってるんじゃーん」
P「……」
周子「んふふ、それでね。シューコちゃんと夜遊びしない?」
P「言い方がアウトだからしない」
周子「大丈夫、言い方だけだから」
P「だからってセーフにはならない話だろう」
周子「ん?大丈夫じゃない? 18は超えてるわけだし、固いこと言わんで」
P「言う案件だよ」
周子「あっ、知ってる、これPさんが根負けするパターン」
P「プロデュース業の根性なめんな」
周子「ほんなら、アイドルの根性見したる」
P「出会った時の周子に聞かせたい言葉だ」
周子「いけずー」
11: ◆WO7BVrJPw2:2024/03/20(水) 13:31:59.85:2zoH+TIh0 (11/41)
周子「別にヘンなコトしようってわけじゃないんよ?」
周子「ダーツしたり、カラオケ行ったりしてさ、一晩遊ぼうよー。一夜を共にしちゃおうよー」
P「だから……」
周子「あたし、そういう夜遊びしたことないからさ」
周子「大学生みたいな遊び方」
P「去年まで高校生だったんだから、そりゃあ」
周子「ならそろそろ、遊び方を知るべきやと思わん?」
P「徹夜で遊ぶと、休日潰れるぞ」
周子「まぁ、遊んだ分は確実にね」
周子「でも、潰す価値があるっていうか」
周子「休日のお昼にできたとしても、仕事終わりの夜にやるからこそ意味があると言いますか」
P「……だろうな」
周子「Pさんが一緒の方が助かるんだけどなぁ」
周子「着いてきてくれないなら、一人で行くしかないね」
P「それ脅迫だからな」
12: ◆WO7BVrJPw2:2024/03/20(水) 13:32:29.62:2zoH+TIh0 (12/41)
P「……はぁ」
P「よし分かった」
周子「お?」
P「始発まで付き合ってやる」
周子「お、お、なんだかんだ言って、ちゃんと付き合ってくれるんだからーもー」バシバシ
P「いたい。茶化すならなし」
周子「わわ、ごめんてー」
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周子「中盛り」
P「大盛り、ライス」
周子「うわ、えぐぅ」
P「スープを味わってこそラーメンだと思うわけだよ」
周子「ふむ…… ……あたしも」
P「マストレさん5回」
周子「やめときまーす」
P「共犯のよしみだ、俺のライスでよければ分けてやろう」
周子「わーい」
13: ◆WO7BVrJPw2:2024/03/20(水) 13:33:01.15:2zoH+TIh0 (13/41)
ズーー ズルズル
周子「そんでさ、なにする?」
P「ん?」
周子「このあとー」
周子「徹夜の定番はカラオケって気がするけど」
P「……定番だけど、アイドルとサシは勘弁してくれ」
周子「えー。Pさんの歌声も気になるけどなぁ」
P「そんな面白いもんでもない」
周子「映画、レイトショーは?」
P「絶対寝るだろ」
周子「間違いないわ。時間潰しなら漫喫とか?」
P「それもちょっとな……」
周子「んー…… あっ、ねぇどっか夜景見えるところとかない?」
P「夜景?」
周子「ちょっとロマンティックにさ。なかなか見る機会ないでしょ?」
P「夜景ね…… あー、この時間ならまだやってるか」
周子「お?」
P「まぁ、朝まで時間潰すんだ」
P「遊べるところ、回ってみるか」
14: ◆WO7BVrJPw2:2024/03/20(水) 13:33:34.67:2zoH+TIh0 (14/41)
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チン ウィーーン
周子「おー……」
P「さすがにあまり人がいないな」
周子「何ここ。シアター?」
P「そっちはもう終わってる。ここのロビーが穴場で」
コツコツ…
周子「わ」
P「ちょっとした夜景が見下ろせるんだ」
周子「おー……」
周子「え、ここ無料なん」
P「いいだろう。基本的に用がないと来ないからな」