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【ウマ娘怪文書】ダイワスカーレットは、一番のウマ娘である。一番とは成績優秀、レースで一着、文武両道にして品行方正。あらゆる角度から見て一番という事である


1: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)23:12:55

ダイワスカーレットは、一番のウマ娘である。
一番とは成績優秀、レースで一着、文武両道にして品行方正。あらゆる角度から見て一番という事である。
すなわち、昨晩ドラマの見過ぎで寝不足などあってはならないし、授業中居眠りなど言語道断なのだ。
「ぐ……ぐ……!」
(ウワーッ!? 鬼か悪魔みてーなオーラ出してるじゃんかよー!)
一限目から、ただならぬ気配を垂れ流していた。
秀才、ダイワスカーレット。表向きは軽やかであろうとする少女の顔ではなかった。
一番への執着心を剥き出しにした姿、そうしなければ睡魔に屈する現実。余裕がないという事。
教室の空気が密度を増したと錯覚させるような、窮屈な授業だった……そして。
「ウグッ……ん……ぅ……」
「お前マジかよ……授業終わった瞬間寝やがった」
教師が退室すると同時に突っ伏した。寝付きの早さも一番とでも言うのか、既に意識は夢に没している。
これには相部屋のウオッカも呆れていたが。




2: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)23:13:17

「おいそろそろ次の授業が、」
「ふおっ! アタシは一番よ……一番なのよ……!」
「うーわ……」
呆れを通り越した世界。僅か数分の睡眠時間で起き上がり、ハンカチで涎を拭う一番狂。
ここまで来ると、もう何も言う事はない。そもそもドラマにかじりつかなければ起こらなかった事態だ。
どうせ身から出た錆は自分で落とすだろうと、ウオッカは放っておく事にした。
その後も、スカーレットはギラついた目で己に圧を掛け続け、二限三限と耐え続けた。
そしてとうとう、今日の終わりの五限まで。
「ぐ、ぐるるる……!」
手の甲にペンを突き立て、痛みで意識を保ち、とうとう授業を受け切った。
そのノートには恐るべき事に、整頓された授業内容が記載されている。ダイワスカーレットは、自身の中にある一番を守り通したのだ。
傍から見て一番だったかはともかく。






3: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)23:13:41

「ぐおっ!」
唸り声を上げて飛び出していく、獣の如きスカーレット。心配するクラスメイト達を、ウオッカは制した。
「寝に行ったんだろ? そっとしといてやろーぜ」
ウオッカは、行き先に見当がついていて。それを口にしない優しさがあった。
(アタシの)
駆ける。廊下を駆ける。
(アタシの)
駆ける。階段を駆ける。
(アタシの!)
駆ける。遮二無二駆ける。勢い扉を開ける。けたたましい音。
「うわぁビックリした!? スカーレットか、ってちょっとぉ!?」
「がるぅ!」
トレーナー室で授業上がりを待っていた、ダイワスカーレットのトレーナーに、高速のタックルをキメる。
伸し掛かる体勢のまま、少女は動きを止めた。





4: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)23:13:58

(アタシの……止まり木……)
「すぅ……すぅ……」
「ありゃ、どうしたもんかなぁ」
その日のトレーニングは取りやめになった。

[超アタシの止まり木]
調子が下がった。
体力が5回復した。
夜ふかし気味が治った。




5: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)23:14:36

出来上がったはいいがバレンタインって感じの話でもないので今日お出しするしかなかった




6: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)23:20:55

ちゃんとホテルとか休憩所とかトレーナー室で寝なさい




7: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)23:21:53

ウマ娘の超タックル食らって無傷か…




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