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長女が卒園式を迎える少し前に小腸ガンを患ってる事が判明した夫が36歳という若さでこの世を去った。この夫からの遺言があるのですが…


36: 嫁 2011/11/30(水) 10:43:33.76 ID:kKC8GmiC0

ただいまです。

はい。ほんと。入学式に出席できてよかったです。

亡くなる一週間前に娘の学芸会があって、
それも見に行くことができました。

余命二ヶ月と告げられて、一ヶ月ほどたったときのことでした。

だんなちゃんのがんはお知りの穴からも触って確認できるほど出てきてて。

すごく痛がってました。

こんな痛い思いするくらいなら楽に殺してくれって。

それくらいしんどい。

病院の治療で傷みを和らげる
緩和ケアというものがはじまっていました。




37: 嫁 2011/11/30(水) 10:47:55.83 ID:kKC8GmiC0

五年近く抗がん剤の治療をしていただんなちゃんのからだは

すでにボロボロで、効く抗がん剤ならやってみる価値はあるんだけど、

効かなくなった抗がん剤は毒にしかならないと。

とりあえずは、痛みをとって体力を作っていく。
という治療法に切り替えられました。

夜もまともにねられなくなっていた
だんなちゃんは脊髄から麻酔をうって

下半身の痛みの感覚をとって寝る 
ということをやっていました。




38: 嫁 2011/11/30(水) 10:53:56.73 ID:kKC8GmiC0

当然、いすに座るなんてことはもうできず、

食事は常にたってしていました。

でも、たっていると足の付け根にできガン細胞のせいで

リンパの流れが悪くなって、毛穴からリンパが流れ始めるのです。

それが、むくんで広がって、妊娠線のように皮膚が一部薄くなったところから

亀裂が入ってリンパ液のようなものが流れ出すという。

悪循環になっていました。





39: 嫁 2011/11/30(水) 10:56:12.98 ID:kKC8GmiC0

痛いし、足はぱんぱんだし、
そんな状況でも娘の学芸会には出たいと。

そんなわがままを病院側はすんなり受け入れてくれ

主人は学芸会に行くことになりました。




40: 嫁 2011/11/30(水) 11:04:12.45 ID:kKC8GmiC0

軽い気持ちでうちら二人はいこかーw?

っていったのに、すごくおおがかりなものになった。

まず、痛みがあって座れない
主人の痛みをとるために夜、寝るときにやっている下半身麻酔をしながら

いくということになりました。

そして、常時飲んでいるくすり。
モルヒネとこの三つをやりながらいくということになりました。

でも、飲み薬のモルヒネは自分たちでできるが

腰から入れている麻酔は、医者か看護婦さんしかできない。

そのため、お医者さん二人と看護婦さんが付き添うということになりました。

そりゃもう、病棟あげての一大イベントとなっていました。




41: 嫁 2011/11/30(水) 11:13:00.12 ID:kKC8GmiC0

当日の朝、うちの主人がいつもよりちょっと強い痛いを感じた。

痛いから学芸会どうしようか?

ってはなしをしてた。でも、病棟内は

絶対だんなちゃんを無事に学芸会に連れて行くぞ。

ムードで大盛り上がり。

痛みもある中、主治医の先生が手術があるということでいけないかも。

という話が出てきてた。

だんなちゃんはちょっと不安そうになってきて、イライラしはじめた。




42: 嫁 2011/11/30(水) 11:31:53.13 ID:kKC8GmiC0

痛みどころか熱もでてきて、強い倦怠感におそわれていた。

ダ「おれはおなかも痛いし頭も痛いんだよ。
  だけど学芸会にも行きたいんだよ」

嫁「学芸会行きたいならいけばいいじゃない。」

ダ「こんな状況でいけるわけないじゃないか」

嫁「じゃぁ、やめる?朝から楽しみにしてたんじゃないの?
  楽しみにしてたならいくべきだと思う」

ダ「だから、おれだって行きたいって言ってるだろ?なんでわかんねぇんだよ。」

嫁「だからあたしは、行けばいいと最初から行ってるだろうが。意味をかんねぇ」

ダ「またそういう蔑んだ目で俺を見る。
  かあちゃん(あたしはだんなちゃんにそう呼ばれてた)にそういう目でみられるのが

  俺は一番嫌いなんだよ。」

嫁「そんな顔してないわ、好きとか嫌いの問題じゃないでしょぉ、行くか行かないかでしょ?

  あたしだって仕事して疲れてんだし、あんたのそんなのに付き合ってられんわ」

ダ「じゃあオレもういかない。行く気がない」

嫁「じゃほんとにそれでいいんだね?」

ダ「やっぱり行く」

嫁「どっちなのよ?」

そのやり取りをずっと見てた看護婦さんは、

とりあえず、決まったらまたよんでくださいね。

といって病室を出て行った。

あたしは、こいつが行かないわけがないのに、絶対行くに決まってるのに

と思いつつもしばらくだまっていた。




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