1: 2024/01/09(火) 11:07:01.783
犠牲者は出なかった。しかし、津波が奪ったものはあまりにも大きかった。娘夫婦が新築したばかりの家が、壊滅したのだ。辻さんの表情が見る間に暗くなった。
「ウチの娘と婿さんがクリスマス前に沿岸部に家を新築して12月10日ぐらいに完成して入居したばっかのとこでよ。ウチは高台にあったんで、娘は妊娠中で切迫早産の可能性があったもんだから実家に来とって、地震のときもな。ウチは高台にあるもんで助かったんだけど、新築の家はダメになってますわ。
新居見てきてくださいよ。俺泣きましたよ。泣きました、俺。娘と婿に『ここに土地あるさかいにこっちこいや』て建てさせたのに。俺が呼んださかいにこんなんなったんかなって悪いほうに考えてしまって。娘と婿は2日の日に大事なものだけ取り行くと新居行って2人して泣いて帰ってきて……。『保険入っとんたんか』って俺もそこまで聞かれへんでね。今は娘は金沢のほうに避難して、赤ちゃんも来月出産予定で落ち着いてるんだけどね」
娘さんはまだ20代で、大工の夫と直前までは珠洲市の飯田地区で暮らしていたという。
「3年前に結婚して、新居は大工の婿さんが自分で建てた家なんよ。こだわって、でかいサッシ使ったり自分でいろんなもん選んで建てた家だったからなぁ」
https://news.yahoo.co.jp/articles/050a5207db0dfb9cc86a2ed56248ab259268e68a?page=2undefined