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【SS】勇者(35)『あ、異世界から来た勇者です、よろしくお願いします』 女魔法使い『ええ…』


25: 『ぶいあに』で検索! 2023/11/21(火) 20:21:31.33

女魔法使い「たいまつなんて…、序盤の村でお爺さんからもらえるアイテムなのに…、貴方たち、

なんで持ってないんですか」

勇者「仲間の一人も、なんか呪いで犬になったままだし……、ええと、治してあげたら」

女魔法使い「ええ。ほら、僧侶。この鏡、みてください、ほら」

僧侶「わんわん…、えっ!も、元の姿ににもどったわっ」

女遊び人「僧侶が元に戻ったわ!ある町で魔王から突然、犬の呪いをうけたまま治し方わからなかったのにっ!

呪いを解く鏡があるだなんて知らなかったわ」

僧侶「そんな…、途中で犬になった仲間スルーして、先に進まないでくださいよ…」

勇者「こんな初歩的なことで息詰まるなんて。

勢いにまかせて、村人からの情報収集やいろんなイベントやダンジョン攻略をすっとばしてきた罰だな」

若勇者「な、なんだとぉ!」

 




26: 『ぶいあに』で検索! 2023/11/21(火) 20:21:44.18

若勇者「レベル一桁のくせにっ、俺に上から目線でモノ言ってんじゃねえっ!

一発ぶん殴ってやるっ!…え!?」

女武道家「そんな、あのおっさん、勇者の攻撃を受け止めたわっ!」

勇者「どうやら努力も怠ってた罰みたいだな。

最初に会った時から、レベルも全然あがってない。ちなみに俺のレベルはいま50な」

若勇者「なん…だと…!」

勇者「俺なんかに攻撃を受け止められるようじゃ、この先やっていけんだろうし。

それにこのダンジョンの奥にある扉は、別のダンジョンにある鍵を入手しないと開かない仕組みだ。

それもどうせ持ってないだろう」

勇者「悪いこと言わないからダンジョン引き返したほうがいいと思うよ、

ほら、予備で持ってるたいまつやるから」

若勇者「くっ…!」

勇者「神々からの特典まかせでやっていけるのは本当最初だけなんだ。

異世界だろうが現実世界だろうが、人生そんなおいしい話ないから。

必ずどこかの段階で頑張り時が来るってこと、覚えておいたほうがいい」

勇者「わかったら、少しは地道に頑張ってから俺たちに追いついてくるんだな」

若勇者「ち、ちくしょおおっ!!」

 




27: 『ぶいあに』で検索! 2023/11/21(火) 20:21:56.47

女魔法使い「若い勇者たち、ダンジョンを引き返したみたいですね」

勇者「ああ、よし、今のうち、俺たちは先に進もう。しかし、

ようやく彼らの冒険を追い抜いたか。まあ、一応生活のため、競い合いでもあるから、悪く思わないでほしいな」

女魔法使い「しかし、とんでもないハッタリ言いましたね。勇者さん、まだレベル20かそこらなのに

レベル50だなんて見え張って…」

勇者「ああ、事前に魔法で基礎体力あげてもらって、一瞬でも彼の攻撃を受け止めることができてよかった。

あのまま、あの若い勇者と取っ組み合いになってたら、正直殺されてたな、はは」

女魔法使い「ダンジョンの奥の扉で鍵が必要なんてのも嘘ですし」

勇者「時間稼ぎだよ。まあ、これくらいいいじゃない。こっちはアラフォーのおっさんなんだから。

多少、狡猾にやらないと、神々の特典をもらったあの若い勇者と、魔王討伐の競争はできないよ」

勇者「なんだかんだ彼には若さがあるからね」

女魔法使い「ふーん…」

 





28: 『ぶいあに』で検索! 2023/11/21(火) 20:22:07.58

女魔法使い「…けど、勇者さんには若い人にはない知恵と経験とか、判断力とか、そういうがあるじゃないですか」

勇者「はは、まあ君たちよりは長く生きてる分ね。けど、そんなの若さにはかなわないしな。

それにそういうの、地味で今の若い子は好きじゃないだろ?」

女魔法使い「いえ、私は嫌いじゃないですけど…、それにまあ、年の割には

若くみえますけど…、ていうかまあ…」

勇者「よし、それじゃ先に進むか。たいまつ持ってもらう役、まかせていいかな」

女魔法使い「え?あ、ああ…そですね、はいはい」

 




29: 『ぶいあに』で検索! 2023/11/21(火) 20:22:20.52

……ダンジョン近くの村

女僧侶「村に戻ってきたはいいけど…、これからどうすれば…」

女武道家「あのおっさん、確か、ダンジョンの奥に行くのに鍵がいるとかなんとか」

女戦士「そういえば…、けどそんな話知らないわ。冒険って

目の前のモンスター蹴散らすだけじゃないの??ねえ、…勇者、いったいどうすれば」

若勇者「くそっ…くそっ…!!」

女戦士「勇者…」

若勇者「(なんだよくそ…、もらった特典の能力で無双できるとおもったのに!

努力とかなんとか…、元の世界の俺の親みたいなこといいやがって…)」

若勇者「(……ちくしょう!

おれだって、俺だって!きっかけさえあれば、元の世界でだってうまくやれたんだ!

普通に学校行って、部活して、彼女作って…、人並みになれたんだ…!)」

若勇者「(…おれだって…)」

 




30: 『ぶいあに』で検索! 2023/11/21(火) 20:22:34.10

女戦士「勇者、あの…私たち、これからどうすれば」

若勇者「………、戻ろう…」

女武道家「え?」

若勇者「戻ろう。最初の町に。それで、周りの人に話を聞きながら、

情報を集めていこう。すっ飛ばしてきた町や村の困ってる人を助けながら」

女遊び人「え、ええ何それぇ!?そんなのやだよ、勇者ちゃんが無双するっていうから

、後ろついてくだけでいいっていうから、パーティに入ったのにっ!」

女盗賊「わたしもそうよ。なんで今さら、戻るのよっ、意味わかんないっ!

それだったら、私、パーティ抜けるわ」

女商人「わたしもっ!」

若勇者「ごめん…。けど、それでも、俺の方針は変わらない」

若勇者「うまい話しなんかなかった…、悔しいけど、おっさんの言うとおりだ。

地道に、やっていこう…」

女戦士・女僧侶・女武道家「勇者…」

 




31: 『ぶいあに』で検索! 2023/11/21(火) 20:22:45.11

……

それから…年月が経ち

魔王城

勇者「はあ、はあ…、、やっと来たか。魔王のいる扉の前まで来たな」

女魔法使い「長かったですね。これでいよいよラストバトルというわけですか…、ようやくですね」

勇者「うん。ええっと、装備品、道具、準備はいいかな。足りてないものなかったっけ?」

女魔法使い「大丈夫ですよ、準備万端です」

勇者「そっか、それじゃさっそく」

若勇者「まて!」

 




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