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【AC6怪文書】独立傭兵レイヴンがあの灼けた空で戦っている - 何者かが出したその檄文は心折れ掛けていたルビコン解放戦線に最後の気力を取り戻させ、蜂起させるに十分だった。解放戦線本部の奥、総司令室。彼らはそこにいた。


8: 名無しさん(仮) 2023/09/23(土)14:58:55

「帥父?」
「リトルツィイー、この愚か者が!」
一喝されたツィイーは思わず身を強張らせる。
「お前が私の代わりになろうとは50年早いわ!まずお前は、お前の機体の特性すら分かっていない」
「MT相手であれば両腕のハンドグレネードは火力で圧倒出来るだろう。だが対AC戦では足を止めるグレネードだけは大きな隙としかならない 」
「片手にライフルやマシンガンなどを持ち、相手の動きを止め、そしてグレネードを打ち込むのだ」
「何より芭蕉の真価はコア理論を体現した格闘戦にこそある。私のランセツとパルスブレードの予備がある、持って行け」
理路整然としたドルマヤンの戦闘理論にツィイーをはじめとした解放戦線の面々は呆気に取られ何も言えない。
整備長とフレディ、そしてツィイーの後ろに控える甲冑姿の男、六文銭だけが理解を示し納得していた。
「六文銭」
「ここに」
ドルマヤンが六文銭に視線を向け声を掛けると、一言答えツィイーの前に出た。
「ツィイーと共に前線に出て欲しい。これはルビコン解放戦線からの正式な依頼だ、受けてくれるか?」
「承知した」
六文銭の承諾を受け、ドルマヤンは呆然としたままの格納庫の面々を見渡す。




9: 名無しさん(仮) 2023/09/23(土)14:59:14

「私は、今まで歪められた警句を聞き逃しそのままとしていた」

コーラルよ、ルビコンと共にあれ
コーラルよ、ルビコンの内にあれ
賽は投げるべからず

「コーラルは人に恩恵をもたらすだけではない。危険性もある。だから、私はコーラルをルビコンの外に持ち出すなと伝えようとした。だが、今コーラルはルビコンの外に持ち出されようとしている」
その場にいる全員がドルマヤンの言葉に耳を傾けていた。
「コーラルがルビコンから持ち出されればそれは人界の危機に繋がり、そして何よりルビゴニアンの生を繋ぐ事、明日へ命を繋ぐ事が難しくなるだろう。諸君、今こそ立ち上がれ。誰の為でもない己の為、明日の為、家族の為に!」
「今灼けた空の上では独立傭兵レイヴンが、あの鴉が戦っている。彼はルビコンの外から来た者。彼に任せきりで良いのか? いいや、良い筈がない!ルビコンの未来は我らルビコンニアンの手で切り開くべきだ。灰被りて我らあり!ルビコンの意地をアーキバスに見せてやれ!」
「灰被りて我らあり!」
ドルマヤンの演説に感化され、格納庫の誰からともなく歓声が上がった。
眠れる虎は今、目覚めた。




10: 名無しさん(仮) 2023/09/23(土)14:59:27

あの傭兵は、レイヴンはコーラルと共に戦っている。……ならば、私もかつてそうあったように今一度立ち上がり、戦おう。
数年、十数年ぶりにアストヒクのコックピットに座るとジェネレータに火を入れた。
コーラルの赤い粒子が唸りを上げ、エネルギー出力を生み出していく。
セリアの提示に私は選択する事が出来なかった。
だが、今は違う。自分の意思でここに立っている。
『選ばない奴とは敵にも味方にもなれない』
RaDの長、オーバーシアーの一員、シンダー・カーラの言葉だったか。
「……アーキバス、そしてオールマインド。貴様らの思い通りにはいかんぞ」





11: 名無しさん(仮) 2023/09/23(土)14:59:46

ルビコン技研都市。
技研都市を前に解放戦線に立ちはだかったのは惑星封鎖機構の武装ヘリだった。
巡洋艦並みの大きさのそれをアーキバスは恐らく封鎖機構からろ獲したか。
「帥父、危険です!」
「良い。これ以上は危険だ、下ろしてくれ」
「帥父御武運を!」
輸送ヘリパイロット、アーシルの言葉を遮ったドルマヤンの言葉にヘリからACが下ろされた。
『メインシステム、戦闘モード起動します』
ACのCPUが戦闘開始のゴングを鳴らす。
「なるほど、これは確かにうちの若いのでは手に余る……だが、鈍い」
ドルマヤンはアサルトブーストを吹かし、急接近。ヘリの上に着地するとそのままアサルトアーマーを展開した。
コーラルの赤い粒子が円形に輝き、武装ヘリのコックピットが圧壊する。
一撃で沈むヘリと赤いアサルトアーマー。それはまるでヘリが突如現れた太陽に飲み込まれたようだった。
ドルマヤンを先頭にフレディやツィイー、六文銭が後に続く。
一方的に狩る側から、対等に戦わなければならない立場になったアーキバス部隊は恐慌状態に陥る。




12: 名無しさん(仮) 2023/09/23(土)15:00:36

『ほう、解放戦線にあそこまでの手練れがいたとは……ペーター、他は任せる。私はあいつをやる』
だが、そんなアーキバス部隊を余所に一直線にドルマヤンのアストヒクを狙う機体があった。
アーキバス所属でありながらベイラム製パーツも使用されたその機体はV.Iフロイトのロックスミス。
『了解しました 』
V.IIIペイターはLCへと乗り換えている。
ドルマヤンの脇を抜け、後方のフレディ達を狙う。
ドルマヤンがLCに意識を割いた次の瞬間、ロックスミスはアストヒクにレーザーブレードで斬りかかって来ていた。
反応こそ遅れたが、ドルマヤンもまた直ぐ様パルスブレードを展開、格闘戦に入る。
『老いているな、そういう動きだ』
「舐めるなよ、若造」
レーザーブレードがパルスブレードが互いを切り裂きあう。
『……面白い!』

ザイレムの眼下、ルビコンの地下にて、ルビコンとアーキバス、それぞれの最強が激突する。




13: 名無しさん(仮) 2023/09/23(土)15:05:39

投稿は終わり…なのかな?




14: 名無しさん(仮) 2023/09/23(土)15:10:53

ごめん終わり
どっちが勝ったってなると格付けみたいになっちゃうからの俺の想像にお任せします




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