盲目の令嬢「……準備なさい」俺「は、はい!」 (40)(完)
29:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/10/08(日) 17:56:11.984 :TrtMQb+fd (1/1)
いいからはやくかいてくれ
30:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/10/08(日) 17:56:22.055 :iLV+b6lF0 (1/2)
妹「元々嫌いだったのですよ。目が見えなくなる前から、高慢で、我が儘で」
妹「その癖に天才肌で、美人で……散々甘やかされて、人の気持ちなど考えたこともないというような、そういう女でした」
俺「は、ははは……」
妹「私も姉の尻拭いをさせられ、その上に姉と比べられ、お前はダメだとよく言われたものです」
俺「…………」
妹「そうしたら……フフッ、目が見えなくなって、あのザマで……!」
妹「ずっと何かに怯えてるみたいに、周囲の物に必死に当たり散らして、ああ、お可愛いことで」フフッ
妹「元々捻じ曲がっていた性格が、ああも悪化するなんて!」
妹「そのうち、捻じ切れてしまうかもしれませんね。なんて」
31:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/10/08(日) 17:57:27.488 :iLV+b6lF0 (2/2)
令嬢(私は光を失った代わりに、音が敏感になった)
令嬢(両親から厄介者扱いされていることも、使用人から嫌われていることも、妹が嫌いなことも知っている)
令嬢(あいつが最近、こそこそと妹と会ってることも知っている)
令嬢(失明した女の貰い手なんているはずもない)
令嬢(私は一生、この居心地の悪い牢獄の中で、なんとなく生きて、無意味に死ぬのだ)
俺「…………」ギィ
令嬢「……五分、遅れているわよ」
俺「起きていらしたのですね。申し訳ございません」スッ
令嬢「そんな眠そうな面を下げて無理に来るなんて、今日は使用人が怪我をしなかったようね」
俺「…………」
令嬢「……今日だけは見逃してあげるわ。朝の食事の時間まで、そこで寝ていなさい」
完
32:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/10/08(日) 18:03:53.247:qEqpYKxJ0 (20/25)
妹「元々嫌いだったのですよ。目が見えなくなる前から、高慢で、我が儘で」
妹「その癖に天才肌で、美人で……散々甘やかされて、人の気持ちなど考えたこともないというような、そういう女でした」
俺「は、ははは……」
妹「私も姉の尻拭いをさせられ、その上に姉と比べられ、お前はダメだとよく言われたものです」
俺「…………」
妹「そうしたら……フフッ、目が見えなくなって、あのザマで……!」
妹「ずっと何かに怯えてるみたいに、周囲の物に必死に当たり散らして、ああ、お可愛いことで」フフッ
妹「元々捻じ曲がっていた性格が、ああも悪化するなんて!」
妹「そのうち、捻じ切れてしまうかもしれませんね。なんて」
33:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/10/08(日) 18:04:52.889:qEqpYKxJ0 (21/25)
妹「サマエルとはよく言ったものですよ、フフ」
妹「神様が見ていたのでしょう。あの性悪から、視力を奪っていったのです」
俺「…………」
メイド「本当、苦労かけられましたよね俺さん」
メイド「先に俺さんが死んじゃうんじゃないかと、ずっとハラハラしていました」
俺「……お、俺は……」
俺「…………」
俺(情なんてないだろ……! あんな奴……!)
妹「どうしました?」
俺「お願いします……庭師の仕事、お願いします!」
妹「フフフ……」ニコニコ
俺(……本当に、よかったのか?)ギュッ
34:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/10/08(日) 18:12:37.415:qEqpYKxJ0 (22/25)
盲目の令嬢「……私を待たせて、何様のつもりかしら?」イライラ
盲目の令嬢「本当に使えないわね」
俺「申し訳ございませんお嬢様」
盲目の令嬢「次からしっかり……」
俺「明日からは、別の人が世話係になりましたので」
盲目の令嬢「え……?」
35:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/10/08(日) 18:24:05.327:qEqpYKxJ0 (23/25)
俺「もう鈍くて覚えの悪い俺に苛立つこともありませんよ、よかったですね」
盲目の令嬢「え……? あ、え……?」
俺「そういうことですから……」
盲目の令嬢「あ……」ツウ
盲目の令嬢「ち、違う……これ、涙じゃなくて……あ……」
この記事を評価して戻る