【目線ダスカ】「不良物件じゃないかしら?アタシって」確かにまあ、手綱を握るのは難しいタイプであろう


1: 名無しさん(仮) 2023/09/26(火)23:51:32

「不良物件じゃないかしら?アタシって」
そんなダイワスカーレットの呟きに仕事をしていたトレーナーが手を止め
改めて彼女の方へとちらりと視線をやる
彼の部屋のソファーで寛ぎながらマグカップのお茶を啜る担当ウマ娘
いつの間にやら居座っているし手にしたマグカップにしても
彼女が私物を勝手にトレーナーの部屋へと置いている物だ
確かにまあ、手綱を握るのは難しいタイプであろう
「それは気性の荒さとか扱いにくさの事か?」
「まあそうね。もっとこう、素直な子とかいるじゃないの」
「そうだな」
「そこは否定しなさいよ」
「お前はかえって怒るだろう?」
「そうだけど」
憮然としながらも再度お茶をひと啜り、トレーナーを見る
意図する事は分かる。なんだかんだで聡い子である
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2: 名無しさん(仮) 2023/09/26(火)23:51:42

自己分析は出来ても感情はコントロールが出来ない
或いはしようと思っていても留めて置けない事もある
だがその熱意のベクトルの方向を間違えなければそれは力となるのだ
「物件の良し悪しなんざまあ、人それぞれだろう」
仕事は途中だが優先事項の方に身体が動く
立ち上がったトレーナーを目で追いかける彼女の視線は
ぐるりと動き、そして自らの傍ら…ソファーの隣へと着地した
「特に住む場所とかはそうだな。俺は最初にビビッと来た」
「へぇ」
「『これがいい』と思ったから俺はお前の担当をしてるんだ」
「住めば都、ってやつ?」
「もっと単純だな。一目惚れ、って奴だ」
「……」
シンプルな程強い。ぎゅっと硬直したスカーレットの眉が困ったように皺が寄り
そして下唇が咥えられ頬がほんのりと染まる




3: 名無しさん(仮) 2023/09/26(火)23:51:55

「そういう事を言われてすぐ暴走とかするんだけど?」
「毎度の事だろう」
「こうやってマグカップとか、クッションとか持ち込んだりもするけど?」
「どうせまたやるだろう」
「きっと明日も明後日も、アンタ困らせると思うけど?」
「出来れば自重はして欲しいが」
「こんな門限時間を越えても居座ってるんだけど?」
「それは困るな」
パン、パンとトレーナーが手を叩く
それを合図に彼の部屋のドアが開き複数人のトレーナーが雪崩れ込んで来た
「ギャア!?何?何?」
「ソイヤッ!」
突然の事に混乱するダイワスカーレットをトレーナーが抱えて放り投げる
それをトレーナー陣が陣形を組み、キャッチすると外へ出ていく
「「ソイヤッ!ソイヤッ!」」





4: 名無しさん(仮) 2023/09/26(火)23:52:46

トレセン学園名物「トレーナー神輿」である
掛け声を上げながら神輿を先導しダイワスカーレットのトレーナーが部屋を出ると
同時に門限を破っていた他のウマ娘達も幾人か神輿に捕まっていた
「「ソイヤッ!ソイヤッ!」」
ナイスネイチャ、ナリタタイシン、トウカイテイオー…etc
彼等は羞恥心と驚愕に目を白黒させながら抵抗するが
屈強なトレーナー神輿はビクともせずそのままウマ娘寮へと連行されていく
そんな彼等を入口で出迎える苦笑気味のフジキセキ
彼女も数分前トレーナー神輿で寮へと放り投げられた一人出会った事は言うまでも無い

夜風涼しい秋の到来が間近な晩の出来事であった。




5: 名無しさん(仮) 2023/09/26(火)23:53:49

何の何の何!?




6: 名無しさん(仮) 2023/09/26(火)23:56:37

こんなんあると知れば抑止効果にはなるんだろうが労力かけすぎだろ




7: 名無しさん(仮) 2023/09/26(火)23:57:39

門限超えた時点で神輿呼べよ




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