【目線ダスカ】波の音が響く夜の海岸 日中の激しいトレーニングの疲れからウマ娘達が眠る合宿所を抜け出し一人砂浜に折り畳み椅子を広げる男の姿があった
1: 名無しさん(仮) 2023/08/07(月)22:18:28
波の音が響く夜の海岸
日中の激しいトレーニングの疲れからウマ娘達が眠る合宿所を抜け出し
一人砂浜に折り畳み椅子を広げる男の姿があった
「……」
ダイワスカーレットのトレーナーである
そのまま椅子に腰かけると手にしていたロールテーブルを
そしてその上に置いたランタンに光を灯し一息付く
と、まるでその光に誘われるかのように近づく足音があった
「よう。待たせたな」
「いや…お疲れさん、タイトレ」
一回り体躯の大きい彼が光源の中ニヤリと笑う姿は妙な迫力がある
彼もまた用意した折り畳み椅子に座るが
キャンプ向きの造りだけありそんな巨体も悠々と支えて見せた
「さて…じゃあ出しな。テメーの『ギア』を!」
「応!」
2: 名無しさん(仮) 2023/08/07(月)22:18:38
奇しくもローテーブルに置かれたキャンプギアは同じ蓋のついたスキレット
しかしその中身はそれぞれ異なっていた
「成程、ホイル焼きか…!これならスキレットの掃除は最小で済む」
「お前の方はチャンプルーか…!しかもスパム…だと…!?」
アルミホイルの中から姿を見せる
武骨な大振りのベーコンの詰まった夏野菜のハーブ焼き
かたやゴーヤと卵、そしてスパムの織り成すチャンプルー…
「互角だな」
「いや、中身被らなくて良かったわマジで」
「まあ俺はそれでも一向に構わんが」
「「乾杯!」」
クーラーボックスから取り出した缶ビールを豪快にぶつけそして一息
「くぁー!さてどんどん食うか」
「何だもう始めてんの?お前ら気早くね?」
「タルトレか。おお!焼きもろこしじゃん!」
3: 名無しさん(仮) 2023/08/07(月)22:18:53
「とうきびな、とうきび。ほれ苫小牧産のやつ」
テーブルを広げたホッコータルマエのトレーナーが鉄板の上に焼きとうきびを広げる
バターとマヨネーズ、そしてハラペーニョソースを刷毛で丹念に塗り込み
焦げ目がつくまで焼いたそこに香草を散らす…
被り付けばその香ばしさと辛味により無限のビールを誘う代物である
「なんだ皆凝ってんなー」
「そういうお前はカップラーメンかよファイトレ」
「そう馬鹿にしたものではありませんよ」
「「理子ちゃん!」」
追加の酒類を重そうに持ってきた理事長代理がふう、と椅子に腰を下ろす
「キャンプ時のケトルで注ぐお湯は乙なもの…
そしてこの様な猛暑の際は塩分が身体から抜け出しているもの
それに貴方達。気づきませんか?お湯を注がれているカップから漂う香りに」
「こ…れはっ!」
「ファイトレ貴様…鶏油を持ってきたなッ!?」
4: 名無しさん(仮) 2023/08/07(月)22:19:05
ニヤリと笑うファイトレの手の中には調理瓶が握られていた
「フフ…うちの担当と飯を一緒にしてると油物は控えめになるがな
鶏胸肉を主食とする代わりに剥がし続けた鶏皮…こういう時に活かさないとなあ!」
「ま、まさかそれは…当然アレも?」
「当たり前だろう、勿論持ってきた」
おお、とトレーナー陣から歓声が上がる
鶏皮を熱し油を抽出する際に出る大量のカラッと揚がった残り…
そこにスパイスを利かせた鶏皮チップスに皆の手が伸びる
「流石ですね。特に鼻腔をくすぐらせるのは良い着眼点でした」
ポリポリと鶏皮を齧りつつ早くも一缶開けた理事長代理が荷物を探り出す
「ですがやはり…キャンプと香りといえばこれでしょう」
「り、理子ちゃんっ!」
「既に昼間の内から準備していたのか…燻製をっ!」
メスティンの中に所せましと詰められたベーコン、ウインナー、玉子
そしてチーズ…
5: 名無しさん(仮) 2023/08/07(月)22:20:43
否応なしにもトレーナー達の興奮は高まり
そして海岸に出来た光源はその賑やかさと共に増してゆく
「……」
喧騒から少し離れた合宿所の側
そんな彼等の、そして自らの担当の
普段は自分達に見せないような大人のはしゃぎぶりを見て
ふ、と一息ついてダイワスカーレットは寝床に戻ると静かに目を閉じた。
6: 名無しさん(仮) 2023/08/07(月)22:24:08
大人の場に混ざらない理性が目線ダスカにもあった
7: 名無しさん(仮) 2023/08/07(月)22:24:09
理子ちゃんできる女すぎる