1 名無しさん必死だな :2023/06/27(火) 09:48:58.47ID:E2S5lv9S0
2023年6月22日に『ファイナルファンタジーXVI』(以下、『FF16』と表記)が発売された。本作は、とく日本で大きな支持を得ているRPG「ファイナルファンタジー」シリーズの最新作である。
さまざまなメディアのレビューを集計しているMetacriticでも評価は上々で、スコア(平均点)は100点中88点となっている。スクウェア・エニックスが力を入れて開発したPlayStation 5(PS5)専用ソフトということで、こだわりもかなりのものだ。
筆者も本作をプレーしてみたのだが、実際に遊んでみると「本作の狙い」がより明確に感じ取れた。『FF16』はただの大作ではなく、大きな目的を背負った一作なのだと考えられる。
◇ストーリーはダークなファンタジー
『FF16』の主人公は、ロザリア公国の第一王子だった「クライヴ ・ロズフィールド」。彼は幼いころから不幸に見舞われ、復讐を果たすために生きることを誓う。
あらすじからわかるように、本作はダークなファンタジーといえる内容だ。『FF16』のプロデューサーである吉田直樹氏は、ゲームメディア向けのインタビューで「30代や40代くらいの現実の厳しさを知った人たち」に向けた作品になっていると語っている。
スクウェア・エニックスのゲームは映像美が大きな特徴で、『FF16』もそれは例外ではない。人物は毛穴まで見えそうなほど精細に描かれているし、巨大な「召喚獣」と呼ばれる生命体が戦う際も、エフェクトが激しく見応えのあるバトルが繰り広げられる。
『FF16』ならではのポイントとして挙げられるのが、ジャンルとしてアクションRPGになったことである。これまでのシリーズ作品はコマンド選択式RPG、つまり「たたかう」や「まほう」などを選んでバトルするシステムが多かった。
しかし本作では、元カプコンでさまざまな格闘ゲームやアクションゲームに関わった鈴木良太氏がアクションRPG化したバトルを監修。現在、RPGはアクション寄りになる傾向が強く、「ファイナルファンタジー」シリーズも本格的なアクションに転換しようというわけだ。
◇昨今の「オープンワールド」とは正反対
このように『FF16』は大人向けのアクションRPGになり、大きく刷新したように見える。だが、実際に遊んでみるとそうではなかった。むしろ、安定を取りにいった作品なのである。
『FF16』は一見すると革新的に見えるものの、むしろ逆である。昨今は広大な世界を自由に冒険できる「オープンワールド」という作りのゲームが流行しているが、『FF16』はそれとは正反対のほぼ一本道である。
確かにアクション要素は強化されているが、救済要素がかなり多い。攻撃を自動で回避してくれたり、ボタン連打で見栄えするアクションを自動で行ってくれたりする補助システムがあり、それこそアクションゲームが苦手な人でも遊べるようになっている。
そもそも『FF16』は、普通にクリアする場合はほとんどストーリーを追うだけのゲームに近い。やりこみ要素としてアクション要素があるといった程度で、それこそ「誰でもクリアできるようなゲーム」にしようという考えが根底にある。
ストーリーも大人向けの雰囲気を漂わせているが、実態としては旧来のRPGとそこまで大きく変化していない。確かにダークな要素はあるにはあるのだが、そこまで踏み込んでおらず、ストーリーそのものもわかりやすさや雰囲気を最重視している。
あくまで筆者の推測だが、『FF16』は単純にテレビゲームの1つの作品を制作しただけではなく、PS5を牽引するといった目的もかなり強く存在するのではないか。
https://toyokeizai.net/articles/-/682246?page=4