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【ウマ娘怪文書】「ふえーん!」声を上げて涙を流す少女が一人。名前はニシノフラワー。幼い身でありながらも飛び級でトレセン学園の狭き門をくぐった才女だ


1: 名無しさん(仮) 2023/06/17(土)23:28:07

「ふえーん!」
トレセン学園の片隅にて。声を上げて涙を流す少女が一人。名前はニシノフラワー。幼い身でありながらも飛び級でトレセン学園の狭き門をくぐった才女だ。だが、今だけはこの“飛び級"という称号が何より、彼女にとっては憎らしかった。
「歳の差なんて!歳の差なんて!」
コトの発端は数十分前。ニシノフラワーは三年間連れ添った自身のトレーナーに愛の告白を敢行した。結果は惨敗。見事玉砕してしまった。
「君はまだまだ幼い。これから先、俺なんかよりもっと素敵な出会いがあるよ」
優しいトレーナーさんが精一杯言葉を選んでフッてくれたのは理解している。だが、フラワーにとっては“幼い"という一点で自分のこの想いが否定されたようで悲しかった。傷付いた。こんな世界間違ってるとさえ思った。
「そもそも幼いって何ですかぁ!トレーナーさんだって!トレーナーさんだってまだまだ世間一般から見れば若僧じゃないですかぁ!」
ついつい、彼への怒りが込み上げる。そんなことしても彼は振り向いてくれないと分かっているのに。






2: 名無しさん(仮) 2023/06/17(土)23:29:05

「背は高いのに顔は童顔だから未だに学生と間違えられて!お酒買う時は何度も確認されるくせに!」
彼はゲーセンに午後六時以降いると店員に注意されるほどの童顔であった。
「お弁当作る時タコさんウインナーやウサちゃんりんごを入れてあげるととっても喜ぶくせに!」
彼はお母さん達の知恵と工夫にワクワクする童心を未だに忘れていなかった。
「皆から子供っぽいって言われてるの実は気にしてて、フラッシュさんのトレーナーさんの言動を参考にしてるくせにぃ!」
彼がちょっと背伸びしてキメ顔でかっこつけた言い回しをする様はとても可愛いと評判であった。
「でもそんなところも好き!うわぁぁぁぁぁん!!!」
想いの丈が止まらないフラワー。そんな訳で、絶賛傷心中であった。そこへ。




3: 名無しさん(仮) 2023/06/17(土)23:30:10

「お困りのようだねぇフラワー君」
「……!タキオンさん!」
やってきたのはアグネスタキオン。マッドサイエンティスト、傍若無人、私のコーヒーに次何か入れたら祟る、学園では散々な言われ様だがフラワーにとっては頼れる先輩である。
「いやはや、中庭を歩いていたら君の悪口だか惚気だか分からない叫びが聞こえてきて気になってね?良かったら話してみてくれないかい?」
「タキオンさん…」
フラワーには頼れる三人の先輩がいる。
一人は自身のトレーナーに攻勢に出てる間は強いが反撃を食らうと一転コテンパンにされる先輩。
一人は自身のトレーナーと離れ離れになると思うと泣き出してしまう先輩。
そして最後の一人、アグネスタキオンは衣食住等身の回りの世話をトレーナーにやらせてる内にいつの間にか共依存の関係を築いていた先輩。
三者三様にそれぞれトレーナーと良好な関係を築いているが、自分達の関係に一番近いのはこのアグネスタキオン先輩な気がしたフラワー。思い切って相談してみることにした。
「実はかくかくしかじかで…」
「なるほど…まるまるウマ娘ウマ娘というわけだね…」





4: 名無しさん(仮) 2023/06/17(土)23:30:44

ふぅむ…と考え込むタキオン。やがて、意を決したように口を開いた。
「これはあまり使いたくなかったが…他ならないフラワー君のためだ。着いてきたまえ」
そう言われて連れてこられたのはタキオン&カフェの秘密の部屋。半分はマッドな実験、もう半分は霊障に溢れた素敵ルームである。
「さて、まずはこれを見たまえ」
そう言ってタキオンは隣に見知らぬ少年を座らせた。歳の頃は15歳〜16歳頃だろうか?タキオンに言われるまま、隣に座る様が愛らしい。
「どなたですか?」
「モルモット君だよ」
「は?」
そういえば何処と無く面影がある気がする。が、中々に衝撃的。あまりにもファンタジー過ぎる。もしくは推理漫画過ぎる。
「知っての通り私は足が弱い。だから故障しても足の状態を故障前に修復して永遠に走れる足を研究してみたのだが…これはその時偶発的に生まれた副産物だよ」
そう言ってタキオンは薬の入った小瓶を置いた。パッと見、胃薬か何かにしか見えない。
「えぇ…すごいですね…」




5: 名無しさん(仮) 2023/06/17(土)23:31:24

「だろう?これがあればトレセン学園中のウマ娘達の夢を叶えることが出来る」
「と、言いますと?」
「自身のトレーナーに懸想するウマ娘は多い。君のように歳の差に悩む者もいれば、歳の差なんて大した問題じゃないと割り切りつつも愛しいあの人の自分達と同じ年頃の姿を見てみたい、もっと早く出会いたかったと願う者もいる。そういったウマ娘達の願いを叶えられる代物なのさこれは。私はこれをこう名付けた。アポトキシ…」
「そんなことよりこれをあまり使いたくないって言ってた理由は?」
「話は最後まで聞くものだよフラワー君。まぁ、安全性の確認は大事なことだが。安心したまえ、服用しても命に別状はない。モルモット君を見れば分かるだろう?」
「じゃあ、何で?」
「こんなものがあると知られてみろ。私は学園中のウマ娘から狙われることになる」
「はぁ…」
「だから、信頼している君にしか明かさなかったのさ。二人きりの秘密というやつだねぇ」
「タキオンさん…それ…私も欲しいです…」
「すまない、三人の秘密になった」




6: 名無しさん(仮) 2023/06/17(土)23:31:57

小瓶を奪い取ろうと襲い掛かるマンハッタンカフェと落ち着きたまえよーと掴みかかられるタキオンを眺めながらフラワーは考える。
──これさえあれば、トレーナーさんとの歳の差を埋められる…!
持つべきものは頼れる先輩である。降って湧いたチャンスに内心うまぴょい伝説を踊り出しそうなほど喜んでいた。だが。
「持続時間はどれくらいなんです?」
問題が一つあった。効果は永続しなければ意味は無いのだ。
「それも問題ない。白乾児(パイカル)、中国の蒸留酒だね。これを飲まない限り、元の年齢には戻らない」
「もらいます」
「即決だねぇ。一粒で三歳戻る。君を14歳、トレーナー君を24歳と仮定しよう。三つも飲めば君と近しい年齢まで若返るよ」
「四粒ください」
「いや、それだと君の方がいくつか歳上に…」
「四粒ください」
「そういう性癖なんだねぇ…」
斯くして、悪魔の薬を手に入れたニシノフラワーであった。




7: 名無しさん(仮) 2023/06/17(土)23:32:57

俺はニシノフラワーのトレーナー。
担当ウマ娘で、愛バのニシノフラワーと遊園地に遊びに行って、黒ずくめのウマ娘の怪しげな取引現場を目撃した!
取引を見るのに夢中になっていた俺は、背後から近付いてくるもう一人のウマ娘に気付かなかった。
俺はそのウマ娘にハウディを食らわされ、毒薬を飲まされ、目が覚めたら……身体が縮んでしまっていた!

「と、いうわけなんだよフラワー…」
ニシノフラワーの前には今、12歳程度の少年が肩を落として立っていた。高かった背も縮み、目線もフラワーと同じくらいになってしまったニシノフラワートレーナーその人である。
「嘘みたいだけど本当なんだ!信じてくれ!」
「ええ、信じますよ。私はトレーナーさんの味方ですから」
「フラワー…」
「安心してくださいトレーナーさん!私が守ってあげます!」
「ごめん。情けない話だけど頼れるのは君だけだ。取り敢えず理事長達に説明しよう。この姿のままでも君のトレーナーを続けられるよう説得する必要もあるかもしれない。一緒に頼むよ、フラワー」




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