1： 1/2 2023/06/02(金)06:01:33

トゥインクルシリーズとは優駿たちがその身ひとつで自らの最速を証明する舞台である
その気高い戦いを着順予想の賭博など不純な視線で汚すことは許されない。子供でも知っている常識だ
だが世界にはそんな常識の外にいる権力者が少ないながらも確実に存在していた

『──番。1番人気、ダイイチルビー』
パドックで紹介を受け一礼するダイイチルビーの姿に観客席から歓声が上がった
かつては華麗なる一族の跡取りという肩書きのみでしか見てもらえなかった彼女だが、ライバルたちとの熱戦を経て徐々にファン層が拡大
今では名実共にスターウマ娘となり、あらゆる人々からの視線を浴びる存在となっていた
「ふむ……澄ましているが、まだまだ若い。見る人が見れば緊張が覗える」
「ハッハッハ！だからこそですよ、そこがイイんじゃないですか！」
「身体を観たいわ！その子の裸をみせてちょうだい！！」
観客席から離れたVIP席の一角。他の観客たちとは異質の空気を纏う者たちがいた
彼らはトゥインクルシリーズにおいて半ば部外者でありながら特別な権限を持つ者たちである
特権者たちは目の前のレースよりもレースの先にあるお楽しみに思いを馳せ、頬を緩ませた

2： 2/2 2023/06/02(金)06:03:13

『優勝はダイイチルビーさんです！おめでとうございます！』
「ありがとう存じます」
肩で息をしつつも表情はレース前と変わらず。毅然とした態度に会場は歓声に包まれる
そして彼女の肩にトレーナーが優勝レイをかけてあげた時、歓声はもう1段階強く湧き上がった
『続きまして、ベストターンドアウト賞ですが……こちらもダイイチルビーさんのトレーナーさんが受賞されました！おめでとうございます！』
「えっ俺……じゃなくて私が！？」
ベストターンドアウト賞……最もよくウマ娘を支えたトレーナーに与えられる賞である
驚くトレーナーの前に件の特権者もとい審査員たちが現れた
「デビューの頃に比べて華麗なる一族という重責を受け止め、確実に成長されていると感じました」
「苦労されとるでしょうが、お互いに離れる気は微塵も感じられない。信頼関係が覗えますな！」
「身体を観たいわ！その子の裸をみせてちょうだい！！」
「あ、ありが……」
「背筋」
「ありがとうございます！これからもルビーと共に精進して参ります！」
湧き上がる大歓声を前にダイイチルビーは無表情を貫いていたが、その尻尾は自分が勝った時より嬉しそうに揺れていたという

16： 名無しさん（仮） 2023/06/02(金)06:19:48

>>2
>そして彼女の肩にトレーナーが優勝レイをかけてあげた時、歓声はもう1段階強く湧き上がった
これ優勝レイみたいな使い方で好き

17： 名無しさん（仮） 2023/06/02(金)06:21:56

>>16
優勝レイだよ！

4： 名無しさん（仮） 2023/06/02(金)06:07:48

暗黒金持ちみたいなことしてる…

5： 名無しさん（仮） 2023/06/02(金)06:09:53

本当にあるのかよこの賞…

8： 名無しさん（仮） 2023/06/02(金)06:12:15

>>5
レースとは直接関係ない表彰だから現地居なかったり中継最後まで見てなかったりすると存在自体知られてないかもしれん