俺の部署に配属されたメンバーの中に小動物系のかわいい娘がいた。自称「ハムちゃん」→このハムちゃんと後輩以上恋人未満の関係になったある日の事…
949: 名無しさん@お腹いっぱい。 2013/10/03(木) 18:02:06
>>945
そのうちハムちゃんが泣き止んで、
公「△△子さんって元カノ? やっぱり忘れられないの?」
このとき俺は頭が全く回っていなかったので、
聞いたことは何でも素直に答えるという、
自白剤を打たれたスパイのようだった。
俺
「元カノっていうか、30歳前ぐらいに
自分では付き合ってたと思ってた結婚詐欺師の名前」
俺
「俺に唯一優しくしてくれた人。結局騙されちゃったんだけどね・・・」
俺は馬鹿正直に思い出したくも無い過去をべらべらしゃべってしまった。
もう引かれたってどうでもいいやって思っていた。
公
「ゴメンね、思い出したくない過去思い出させちゃって」
俺
「いいよ、そんなのごく一部だから・・・」
俺
「他にも両親がW・・・」
公
「いいよ、言わなくても。全部知ってるから。
辛いこと無理に言わなくても」
俺
「全部ってどうして・・・」
951: 名無しさん@お腹いっぱい。 2013/10/03(木) 18:14:13
>>949
ハムちゃんは俺が封印した過去を全部知っていた。
俺の両親がW不倫して父親からはいらないと言われたので
母親に引きと取られたら、
母の不倫相手にいらないと言われて結局父親に引き取られたこと。
高校時代の初恋の相手に書いたラブレターを
コピーして回し読みされたこと。
会社に入って1つ上の先輩を好きになったら、
一応いい顔してたけど裏で犬以下って言われていたこと。
29歳で結婚を焦っていたころに
やっと優しくて素敵な人だと思って交際を始めたら、
実は結婚詐欺師で貯金を全部持ち逃げされた上に
借金まで背負わされたこと。本当になーんでも知っていた。
俺
「どうして知ってるの」
公
「最初の歓迎会のときに三次会で延々と聞かされたから・・・」
俺は穴があったら入りたくなった。何のことは無い、
全部俺がハムちゃんに無理矢理不幸自慢をしていただけだった。
952: 名無しさん@お腹いっぱい。 2013/10/03(木) 18:16:16
穴があったら入れたくなるよね。支援。
953: 名無しさん@お腹いっぱい。 2013/10/03(木) 18:24:08
早く早く!
954: 名無しさん@お腹いっぱい。 2013/10/03(木) 18:26:00
>>951
しばらく沈黙が続いたが、俺は大事なことを思い出した。
俺
「そういえば会社行かなきゃ」
公
「無理よ、熱が○度○分もあるんだから」
公
「それに会社には体調が悪くて休むからって連絡しておいたの。
ゴメンね、本当にゴメンね」
どうして俺はハムちゃんが謝るのかが全然わかっていなかった。
そしてハムちゃんは今日はずっと付き添ってくれると言った。
昨晩もずっとついていてくれたと言っていた。
この時点では逆らってもどうなるものでもないので、
素直に厚意に甘えることにした。
ハムちゃんはいったん自宅に帰った後、
色々持ってきて俺の部屋の客用布団で寝てくれた。
火曜日も熱が下がらず、ハムちゃんはずっと看病してくれた。
この日も途中で自宅に戻ったけど、
何時間かして帰ってきて一緒に寝た。
当然何も無かった。
956: 名無しさん@お腹いっぱい。 2013/10/03(木) 18:35:15
>>954
やっと水曜日の昼頃にはほぼ平熱ぐらいに戻ったので、
ハムちゃんと色々話をした。
大事な話の真相も聞いた。
要約すると、俺がハムちゃんのことをどう思っているのかを知りたかった。
友達に相談したら好きな人がいると言えばきっと怒り出すはずだから、
そうしたらネタばらしすれば大丈夫と言われたらしい。
公
「そうしたら怒るどころか、
いきなり応援するようなことを言われて、さよならっていわれた。
どうしていいかわからなかった」
公
「レジで支払いして外に出たら既にいなかったの。
一緒に帰ったタクシーで場所は知っていたから行ったけどいなかった」
公
「もう一度探していたら雨が降ってきたので家に行ってみたら
今度は鍵が開いていて、
中に入ったら布団にくるまって呻いてる俺さんがいて・・・」
俺
「そうか、ありがとうね。ハムちゃんは俺の命の恩人だね」
俺
「ところで、話変わるけどネタばらしって何?」
公
「えっと、好きな人っていうのが・・・」
俺
「が?」
公
「俺さんなんです」
俺
「は?」
多分かなり間抜けな顔をしていたと思う。
俺
「35歳過ぎたオッサンだし、モテないし、
いいところ探すのが苦労するような男のドコがいいの?」
公
「俺さん真面目だし、苦労してるから人の気持ちもわかるみたいだし、何より・・・」
俺
「買いかぶり過ぎだよ、端から見てたらよく見えるだけだよ」
公
「何より俺さん不倫とか嫌いみたいだから・・・」
957: 名無しさん@お腹いっぱい。 2013/10/03(木) 18:41:09
>>956
聞くとハムちゃんの祖父がやたらと不倫をして、
祖母がとても苦労してのを小さい頃からみていたらしい。
公
「だから両親の不倫で不倫嫌いな俺さんなら、
きっと不倫しないと思うの」
たしかに俺は学生時代に友達の彼女が不倫していることを咎めたら、
友人に殴られて警察沙汰になったことがある。
とにかく不倫しているやつは大嫌いだった。
ここでハムちゃんは必殺技を繰り出した。
小動物のくりくりっとした目を上目遣いでこっちを見て
「やっぱりダメ?」。
ええダメじゃ無いですよ、もう一撃必殺ですよ。
ハムちゃんにKOされた俺は、
ハムちゃんと正式にお付き合いすることになった。
ハムちゃんを送って帰る間際に
「また明日、でもしばらくは会社の人には秘密にしておこうね」
って言ったときに、
ハムちゃんは少し複雑そうな顔をしたけど
すぐ笑顔になったのでそのまま帰った。