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【1/2】おっさんの恋愛話でも聞いてくれ※バッドエンド。雇われ店長してる居酒屋に大学生の可愛い子が面接にきたんだけど、俺はこの子と…


33: 名無しさん@おーぷん 2015/04/28(火)02:08:49 ID:7HI

元嫁は学費とアパート代は仕送りだったが、
生活費は自分で稼いだアルバイト代から出していた。
その為、本人の希望もあり、
多めにバイトのシフトにも入れていたのだが、
毎週末来る彼氏に付き合うと、
稼ぎどきの週末に働けない。

彼氏も毎週末通うのはキツクなったのか、
地元にも帰って来いと、催促するようになった。
正直キツイ。
これじゃあやっていけない。

というのを、
週に二回くらいの帰り道に元嫁から聞かされるようになった。

季節は7月になっていた。




34: 名無しさん@おーぷん 2015/04/28(火)02:11:52 ID:7HI

そんなある日、事件が起こる。
彼氏襲来。

サプライズで上京してきた彼氏が、
バイト終わりの彼女を送ってきたおれを
浮気相手とみなして襲いかかってきた。




35: 名無しさん@おーぷん 2015/04/28(火)02:22:03 ID:7HI

建物の陰から叫びながら現れた彼氏に、
元嫁は悲鳴をあげ、おれはとっさに元嫁を庇った。
それが余計に逆鱗に触れたらしい。

胸倉を掴まれて、
「おまえ!なんなんだよ!」
と凄まれるおれ。彼氏でかい。
でもヒョロい。細すぎる。
現時点では元嫁の彼氏でもなんでもなく、いきなり現れたただの暴漢。
もしくは変質者。

ビックリはしたが、とりあえず突き飛ばして前蹴り。
良いところに入って、うずくまる彼氏。





36: 名無しさん@おーぷん 2015/04/28(火)02:27:53 ID:7HI

そこでようやく元嫁も、
その暴漢が彼氏だと気付いたようだった。
彼氏だと気付いていたが驚いて声が出なかったのかわからないが。

「知り合い?」
と聞くと
「彼氏…」
と答えた。

でも、おれの後ろに隠れて
シワシワになるくらい服を掴んでる元嫁の目は、
彼氏を見る目ではなく完全に変質者を見る目だった。

それも仕方ないだろう。
おれもバックバックしていた心臓が、全然治らない。

結果厨二っぽいことにはなったが、
基本的に喧嘩なんかほとんどしたことのない人種です、おれ。




37: 名無しさん@おーぷん 2015/04/28(火)02:32:03 ID:7HI

下っ腹を抑えながら立ち上がった彼氏は、尚も吠えた。

「誰なんだよそいつは!ああん!?」

あ、彼氏ヤンキーだ。

「ごめんなさい。今、付き合ってる人…」

はいぃ?
ここで華麗に右京さんのモノマネが出来ていたら、
おれの滑らない話が一つストック出来たのに…
今でも悔やまれる




38: 名無しさん@おーぷん 2015/04/28(火)02:39:28 ID:7HI

「はぁ?なんだよ!訳ワカンねぇ!ふざけんなよ!」

大体おれの心情は、
ニュアンスは違えど彼氏が代弁してくれた。

「ごめん。本当にごめんなさい」

元嫁泣き出す。
状況としてはどう見ても悪者なので、
おれもその涙に乗っかることにした。

「聞いた通りだから。とりあえず落ち着いて」

「訳ワカンねぇ!訳ワカンねぇよ!なんだよこれ」

ごめん。
おれもだ。
状況は彼氏が悪者だが、冷静に考えれば彼氏は被害者であり、
一番悪いのは元嫁。今だから言える。
悪いのは元嫁。




39: 名無しさん@おーぷん 2015/04/28(火)02:46:58 ID:7HI

元嫁は彼氏に近づき、
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
と泣きながら謝っている。

「どういうことだよ!説明しろ!」

メダパニ状態の彼氏は、元嫁の腕を掴もうとしたが、
元嫁はその腕を振り払った。
後ろから見ていても、元嫁がビクっと跳ねたのが見えた。

「なんだよ…マジかよ…」

彼氏、泣いてた。
彼氏はメダパニが解けないまま、
急に立ち上がり、なんだよ!と
叫びながら白いコンパクトカーに乗り込んで、そのまま走り去った。




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