トップページに戻る

後味の悪い話『セス・アイボリーの21日・仮面ライダー』


442:
本当にあった怖い名無し:2008/01/27(日) 23:01:51 ID:iP2yuUEM0
藤田あつ子「他生の縁」



ある貧しい家に、普通の娘がいた。そしてどこの家にでもあるように、ある程度の年になると、

大きなお屋敷に奉公にでることになった。

彼女に割り当てられた仕事は台所の下働きで、厳しいが指導はしっかりしている

料理人のおかみさんの下、叱られたり褒められたり、それなりに日々を過ごしていた。

ある時、料理人のおかみさんが、たまたま早く仕事を切り上げて帰った日があった。

そんな時、奥様があれが食べたい、と急な注文を出してきた。
料理人がいないので仕方なく娘が包丁を取ることになった。

結構うまくできたその料理が奥様に気に入られ、娘は奥様付きの簡単な料理を作る専用の料理人になった。

しばらくすると、そのお屋敷の旦那様がなくなった。奥様は金持ちの習いとはいえ、

旦那が抱えていた何人かの妾達がめざわりだったので、全員お屋敷から追い出して、実家に帰すことにした。

一方、奥様自身も結構いい年だったので、肝臓が弱ってきたらしく、寝込むことが多くなった。

医者からは薬の処方とともに、食事療法の指示も受けたので、娘は病人食を作ることに精を出した。

しかし病人食はあまりおいしくないので、病気でただでさえイライラしている奥様は娘に当たり散らす。

娘は困り果てながらも、病人食を作り続けるしかない。

そんな娘の様子に、根は悪くなかった奥様が頭を下げる。自分がやつ当たりしていることは自覚していたのだ。

普通の女中なら、やつ当たりをされた時点で、奥様が死のうが死ぬまいが関係ないのだから、

好きにさせていただろうに、娘はそれでもちゃんと病人食を作ってくれることに感謝した。

やがて心が通い合った奥様と娘。娘は奥様の看病を続け、やがて奥様は小康状態を取り戻す。

娘に感謝した奥様は、お寺詣りに行った際、お坊さんに紹介する形で、
娘を養女にして屋敷を継がせるとこを宣言した。

思わぬ幸運に娘は、きっと自分と奥様は前世は親子だったんだと感動し、ますます奥様孝行に励むようになった。




443:
本当にあった怖い名無し:2008/01/27(日) 23:02:25 ID:iP2yuUEM0

しかしある日。奥様のもとに、以前追い出した妾が屋敷を追い出された時点で既に身ごもっていた、

という知らせが届く。当然お腹の子供の父親は、亡くなった旦那様であろうことは間違いない。

その話を立ち聞きしてしまった娘は動揺する。屋敷の後継者がいないから自分が養女になれたのに、

その子供が生まれたら自分はどうなるのか。

それでも娘は、自分に悪いようにしない、と奥様が言ってくれることを信じて、

じっと奥様の言葉を待っていた。しかし何日たっても待っていた言葉はなく、

また、妾に子供がいる、という重大なこと自体も言ってくれない。

(娘は立ち聞きしていたので知っているが、奥様は娘がそれを知っていることは知らない)

娘はふらりと立ち上がり、奥様に畑に行ってきますと告げたが、いつものように

「畑なんかに何しに行くの?」という優しい一言もなかった。

自分に対する関心を失ったのだ。奥様にとって、女中あがりの娘が女中に戻るだけのことなんだ、

と悟った娘は、畑の一角から、玉ねぎによく似た、しかし毒性を持つ植物を収穫して戻った。

その夜、娘はその毒菜を調理して奥様に出した。夜半に奥様は亡くなった。

奥様の葬儀の席で娘は、自分にはこうするしかなかったんだ、と言い聞かせながらも、

奥様を母のように慕っていたあの頃に戻れたら、と強く思うのであった。





実は娘の知らないところで、子供なんて妾のウソでした、

ということで決着してたりして、と勝手に想像した。

それだったら、奥様が娘に何も言わないのも納得なんだけどね。




462:
本当にあった怖い名無し:2008/01/28(月) 10:01:25 ID:jXZH89HN0
>>443
面白かった
奥様と主人公の愛情なんかちょっとほろっと来る感じだよね





445:
1/2:2008/01/27(日) 23:54:50 ID:katv67OQO
子どもの頃に読んだ漫画なので、色々勘違いあるかもしらんが…。





主人公の女性が働く保育園には、対照的な二人の園児がいた。

一人は、賢くてお行儀のよい誰からも誉められる両親も自慢の男の子。(仮にAくん)

もう一人は、何をやっても鈍くさくて駄目なハナタレの男の子。(仮にBくん)

Bくんの母親は、そんな駄目息子を恥ずかしく思い、スパルタ的な教育をしていた。

だが、効果はなく母親はストレスと劣等感を募らせるばかりだった。



ある時、その保育園に通う園児が不審者に襲われて怪我をする事件が起きた。(確か最初の被害者がAくん)

事件を警戒して見回りをしていた主人公は、園児がビルからつき落とされそうになっている現場に遭遇して助ける。

主人公は逃げた犯人の姿を見ていた。

それは紛れもなくBくんの母親だったが、証拠はない。




446:
2/2:2008/01/27(日) 23:57:12 ID:katv67OQO

次の日、また主人公は園児が別のビルからつき落とされそうになっている現場に遭遇する。

園児をつき落とそうとしていたのは、やはりBくんの母親だった。

間一髪で主人公は園児を助けるが、Bくんの母親は取り逃して(消え去って)しまう。

しかし、その帰り道、主人公はBくんと母親に出会う。

事件の事をさりげなく聞き出そうとするが、一日ずっと二人で外出していたと言われて戸惑う主人公。



もしや、Bくんの母親の強い劣等感が無意識のうちにドッペルゲンガーを作り出し、事件を起こしているのでは…?

とも考えるが、やはり証拠はない。

(非科学的だけど、主人公は超能力の使える宇宙人というSF漫画なので…)



後に、実はAくんとBくんは生まれた時に病院で取り違えられていた事が分かった。

二人は泣き叫びながらも、それぞれ本当の両親に引き取られ、事件も起こらなくなってめでたしめでたし。





母親が事件を起こしたというだけの話なら、行き過ぎた愛情とも取れるけど、

動機は母親のプライドと勝手な劣等感で、最後は自慢できる息子が手に入ったらあっさり終わるというのが後味悪かった。




462:
本当にあった怖い名無し:2008/01/28(月) 10:01:25 ID:jXZH89HN0
>>446
めちゃくちゃ後味が悪い……
2つの家族のその後を考えて悶々してしまう




448:
1/3:2008/01/28(月) 00:26:11 ID:9j4jXf8X0
「紅朽葉家の伝説」より、「百夜」という女の一生



この話は紅朽葉家という鳥取の製鉄所を営む旧家の、三代に渡る話なんだが、そこに出てくる

百夜という女の一生がちょと後味悪かったので書いてみる。



紅朽葉家の主人は万葉という嫁をもらったが、嫁をもらう前に真砂という女中をお手つきにしていた。

真砂はすでに薹がたっていて、嫁をもらった主人はすでに真砂に興味を無くしていた。

真砂の精神は病み、主人の気を引くために数回にわたって裸歩き、裸踊りなどをした。

真砂は解雇されたが元お手つきということもあり、紅朽葉の分家に引き取られた。

嫁の万葉が妊娠中だったこともあり、主人は自分のために
裸踊りまでしてしまった真砂に同情して分家に通うことになった。

そこで産まれたのが百夜である。百回の夜を共にしてできた子供という意味の名前に、本家の人間は憤る。

彼女を産んだとき、真砂は「ぼん(主人のこと)にも大奥様(姑のこと)にも似てない!どうして自分に似たんだ」

と泣き崩れた。

百夜は認知されたが本家に引き取られることはなく、精神の病んだ母親と、分家でひっそり暮らす。




[6]次のページ

[4]前のページ

[5]5ページ進む

[1]検索結果に戻る

この記事を評価して戻る



通報・削除依頼 | 出典:http://2ch.sc


検索ワード

仮面ライダー | 仮面 | | 後味 | セス・アイボリー |