浜田「松本さんは実は雛見沢出身だったと小耳に挟んだのですが」 (44)(完)
8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 21:38:15.99:f57j9Rtf0 (8/44)
浜田「待て待て待てwwwwベビーシッターで5000万!?」
松本「マジですよ。少なく見積もっても四桁万円は確実です」
浜田「絶対ヤバイ仕事やん!」
松本「全然やばくないですよw ただ子供の面倒みるだけじゃないですか」
浜田「だからそれだけで5000万も出るわけないやろって」
松本「あ、でももちろんルートは特殊でしたよ?」
松本「所謂バイト雑誌に載ってるようなやつじゃなくて」
浜田「ほら見ろ。やっぱり裏のバイトやんけ」
松本「だからそーゆーのじゃなくて……コネでたまたま取れただけです」
浜田「誰のコネやねん」
松本「オカンです」
浜田「えぇ……」
9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 21:40:46.26:f57j9Rtf0 (9/44)
浜田「秋子が……5000万……?」
松本「正確に言うとオカンの姉からの依頼ですね」
松本「伯母さんからオカン、からの僕って感じで」
浜田「んでも、なんで5000万も出せるねん?」
松本「あのーこれは、僕らみたいな工業地帯出身には馴染みのない話なんでしょうけど」
松本「雛見沢ってほんとに山奥の秘境みたいな場所にある土地で、そういうトコってちょいちょいあるんですって」
松本「立ち退き的なのが」
浜田「はあはあなるほど……」
松本「で、その立退料が5000万くらいで、しかもそれは国から出るお金なので」
松本「もちろん満額貰えるわけじゃないでしょうけど、立ち退きさえすれば出るのは確実なので」
松本「……まぁ、ちょっと期待できるじゃないですかw」
浜田「ナッハッハw せやなw」
10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 21:42:08.53:f57j9Rtf0 (10/44)
松本「ただそこで一個問題がありまして」
松本「立ち退き料を貰う為には村全体の合意が必要なんですけど」
松本「ところが今度はそれのせいで、村の中で賛成派と反対派とで争いが始まってしまったんです」
浜田「おー、なんかそーゆーのニュースで見た事あるわ」
松本「で、伯母さんはそのデモ的な運動に参加しなくちゃいけないので」
松本「だからその間うちの子の面倒を見て欲しいと、親戚を伝ってうちんとこに言ってきたわけです」
浜田「ええ説明や。非常に分かりやすい」
松本「どうもリーダー格やったみたいですね。賛成派閥の」
浜田「人望ある人なんやな」
松本「んで反対派の筆頭が、よりにもよって園崎で」
浜田「また園崎……w」
11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 21:43:25.78:f57j9Rtf0 (11/44)
松本「正直ちょっと私怨入ってると思うんすけどねw」
浜田「ナッハッハw ほんまやw」
松本「まぁ要するに、因縁の相手と決着をつけるのに忙しいからって、僕の所に話がきたわけですよ」
浜田「でもその村の争いって、こっちゃ関係ない事やんか」
松本「え? なんでですのん」
浜田「いや別に一緒になって戦え言うてるわけやないし、ちょっとの間子供の面倒見て欲しいってだけやろ?」
浜田「そんなん、言うてくれたら全然俺も行ったで? めっちゃおいしいバイトやんけ」
松本「そんな事ないですよ――――引き受けた事、全っ力で後悔しましたよ!」
浜田「なんでw」
12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 21:44:40.49:f57j9Rtf0 (12/44)
松本「やはりあの村は滅びるべきですよ……ほんと、ダラズの集まりですよ!」
浜田「やめやめやめw」
松本「考えられへん村ですよ、マジで」
浜田「なんやねん、何があったんや」
松本「いいですか浜田さん、雛見沢ってほんまにものすごい山奥にあって」
松本「新大阪から新幹線で向かって、ローカルに乗り換えて、さらにそこからバスで何時間もかかる場所にあるんですよ」
松本「もう向かうだけでクッタクタなんですよ。着いた時点で疲れ切ってるんです」
浜田「田舎はそんなもんやろ」
松本「こっちは節々がえらい事になっとんねん。少しは愛想よくしてくれやって話じゃないですか」
浜田「あ、わかった。よそ者や言うてハブられたんやろ?」
松本「半分正解で半分ハズレですね」
浜田「どこがハズレてんねん」
松本「着いてすぐ中学生にシバかれかけまして」
浜田「えぇ!?」
13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 21:46:13.03:f57j9Rtf0 (13/44)
松本「めちゃめちゃ追いかけ回されましたからね。なんか金属バット片手に持ったやつに」
浜田「なんでんな事になんねんw」
松本「知りませんよそんなのw こっちが聞きたいですよ!」
浜田「うそつけw お前絶対なんかやったやろw」
松本「やってませんてw ちょっとは信じてくださいよw」
浜田「言うて田舎の中学生やろ? ちょけてただけちゃうん」
松本「でしょうね。なんかずっとヘラヘラしてましたし」
浜田「んなもん逆にシバキ回したったらよかったてん。俺やったら絶対やってるわ」
松本「そこまではしませんけど、今思うと”アカンで”くらい言ったるべきやったかもしれないですね」
浜田「そらそうや」
松本「ただ、まぁ、何分いきなりやったので、後手に回ってしまったと言うか」
浜田「ビビんなやw 中学生相手にw」
松本「いやぁお恥ずかしいっすw」
松本「なんかずっと”あひゃひゃひゃー!”って叫んでたもので」
浜田「まっちゃんそれ、逃げて正解」
14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 21:47:59.63:f57j9Rtf0 (14/44)
松本「そうですか? 叱れば収まったと思いますけど」
浜田「無理。確実にややこい奴や」
松本「でも、風景はさすがでしたよ。住人はクソですけど」
浜田「のどかやった?」
松本「なんか最近知ったんですけど、文化遺産的なのに登録されてるらしくって」
松本「歴史的建造物って言うんですか? そんなのがいっぱいあって」
浜田「へぇー。ええやん」
松本「で、僕の滞在してた家も、結構そんな感じで」
松本「ほら、僕らの実家もある意味そんな感じだったじゃないですか。なもんで、意外と抵抗なかったって言うか」
浜田「よかったがな」
松本「んでガー入ったら、例の姪っ子が出迎えてくれて」
松本「沙都子って言うんですけど」
浜田「かわいかった?」
松本「かわいかったって言うか……むしろこっちが可愛がられたって言うか」
浜田「意味わからん。お前が世話するんやろ?」
松本「正直見た瞬間、全てを察しましたね」
浜田「どう言う事やねん」
松本「小学生やって聞いてたんですけどね……まだ10歳くらいのはずなんですけど」
松本「思っきり、ド金髪でw」
浜田「ああ……そっち系ね……」